女優・大竹しのぶ(68)の主演ミュージカル「GYPSY(ジプシー)」(演出・クリストファー・ラスコム)が、6~24日に東京・日本青年館ホールで上演される。来年には古希を迎えるが、役者としての輝きは増すばかり。

「エネルギーを共有できるのが一番の魅力」という仕事への愛を吐露した。(堀北 禎仁)

 名作の3年ぶりとなる上演に、大竹は奮い立っている。「また挑戦できるのはありがたい。前よりは良くならないと意味がない」と向上心をあらわにした。

 ショービジネスの世界で娘を売り込むパワフルなステージママを熱演する。「どんなことがあっても前を向いて生きていく強さをかみ締めてほしいし、素晴らしい音楽に酔いしれてほしいです。絶対にワクワクします」と呼びかけた。

 劇中では「高音がずっと続くのが結構ハード」という複数の難曲を歌い上げる。昨秋に初めて成人男性を演じた舞台「リア王」での長いセリフや、年明けの舞台「ピアフ」で披露した歌声に磨きをかけている。

 ミュージカルでは音楽が重要な役割を担うが「歌とかストレートプレイとか(の違い)をあまり考えてなくて、あくまで一つの表現。私は表現者だから、お芝居や歌で表現するということ」と意識せず取り組む。もともと音楽は大好きで、4月のNHK「SONGS」では親友・岩崎宏美(67)と共演。

「持ち歌も何もないのに、宏美ちゃんと歌えるなんて楽しかった」と照れた。

 役柄と同様に、自身も2人の子育てを仕事と両立した。昨年には長男・二千翔(にちか)さんが結婚して独立。「やっと子育てが終わったな、という感じ。寂しいけどホッとしました」。健康の秘訣(ひけつ)は「無理はせず、よく食べること」。1人での生活になった最近は、ゆずみそを作るなど料理が息抜きだ。奄美大島に拠点を置く長女のタレント・IMALU(36)が上京した時には、お手製の天ぷらそばを振る舞ったという。

 来年7月で70歳。休みなく仕事のオファーがあった。「バタバタな人生でした。どんどん宿題がきて、そのたびに必死になってる」としながらも、「本当にありがたいこと」と感謝した。

 デビュー時から現在まで、役者をやめたいと思ったことは一度もない。「単純に、お芝居するのが好きだった。遊んでる感じ。稽古も毎日楽しい」。初舞台だった1975年の「青春の門」(演出・宇野重吉)ではダメ出しが少ないことが物足りなかったが、今でも「他人のダメ出しを『なるほど、なるほど』と聞いてます」と貪欲だ。

 女優という仕事の魅力については、周囲と「エネルギーを共有すること」と表現した。「GYPSY」でも5月の東京公演に続き、6月は愛知、福岡、大阪を巡る。「音楽とともにエネルギーを感じてくれたら『頑張ろう』という気持ちになると思う」。日本を代表する女優として光を放ち続ける。

 ◆「GYPSY」 1959年に米国で初演されて以来、世界中で高評価されてきたミュージカル。華やかなショービジネス界を舞台に、2人の娘をスターに育てようと夢見る母・ローズ(大竹)の奮闘を描く。後に「バーレスクの女王」と称される長女・ルイーズ役を元アンジュルムの田村芽実、パフォーマンス力の高い次女・ジューン役を元日向坂46の富田鈴花が演じる。

 ◆大竹 しのぶ(おおたけ・しのぶ)1957年7月17日、東京都生まれ。68歳。73年、フジテレビドラマ「ボクは女学生」の一般公募でドラマ出演。75年、映画「青春の門」のヒロイン役で本格デビュー。同年にNHK連続テレビ小説「水色の時」でヒロインを務め、全国区の人気者に。以後、テレビ、映画、舞台で幅広く活躍。2011年に紫綬褒章。16年、NHK紅白歌合戦に初出場。血液型A。

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