沖縄県の救急医療体制が大きくゆがんでいる現状をご存じでしょうか。
日本の救急医療は、本来「軽症は1次」「入院が必要な中等症は2次」「集中治療や緊急手術が必要な重症は3次」という役割分担で成り立っています。
沖縄県立南部医療センター・こども医療センターは、重症外傷、脳卒中、心筋梗塞、小児の重症疾患といった南部医療圏の3次救急患者に対応する救命救急センターの役割を担っています。
しかし現実には、近隣の病院は1次救急外来を制限しており、夜間・休日には当院に多くの患者が受診しています。1次救急レベルの軽症患者が時間外に殺到し、本来の3次救急機能が著しく圧迫されています。
こうした状況は単なる混雑や職員負担の問題にとどまりません。現在の診療報酬制度では、当院の救命救急センターが1次救急を多く受け入れてしまうことで「あるべき医療機能を担っていない」と国の医療制度上では適切に評価されず、病院の収益にも悪影響が出ています。
このままでは、地域の救命救急センターが本来の役割を果たせなくなり、結果として救える命が救えなくなる恐れがあります。加えて、県内の多くの病院において1次救急の外来受診制限が始まっています。今後、沖縄から夜間・休日に軽症患者を受け入れる医療機関が、県内から姿を消す日も近いかもしれません。
沖縄県におけるこの救急医療のひずみは、もはや個別の医療機関の努力だけでは解決できません。

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