発行済み株式は丸紅側に80%を売却した。残りの20%は東良和会長らOTS創業家が保有する。
両社が強調するのは、相乗効果のある「ウィンウィン」の関係だ。
OTSは、丸紅グループの海外ネットワークを活用し、インバウンド(訪日客)需要の取り込みを強化する。旅行業と並んで主力のレンタカー事業では、米国で車両のリース・管理事業に出資している丸紅の知見を生かし、レンタカーの調達・売却を最適化する。
さらに人工知能(AI)活用による生産性向上や、優れた人材の確保による事業承継の課題解決も狙う。
一方、丸紅側が注目するのは、沖縄観光の将来性とOTSが持つ地域基盤だ。
空路で4時間以内にアジア圏20億人の巨大マーケットが存在する地理的優位性。2025年度の入域観光客数は約1093万人で過去最多を更新し、インバウンド客も294万人で過去2番目に多かった。MICEなど法人需要も広がっている。
丸紅は沖縄を足掛かりに観光事業に本格参入し、将来的には県外に進出することも視野に入れる。
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OTSに累積赤字はなく、経営は堅調だった。地元資本の企業として業界を牽引(けんいん)してきただけに、多くの県民にとって驚きのニュースとなった。
OTSは決断した理由の一つに、新型コロナ禍を挙げる。収束後に業績はV字回復したものの、一時は不採算部門を閉鎖するなど厳しい経営を迫られた。
感染症だけではない。観光は自然災害や国際情勢、為替相場の変動など外的要因に左右されやすい。
01年9月の米中枢同時テロ後、沖縄への観光客は激減した。近年も中東情勢の悪化や原油高で、先行きは楽観できない。
海外のオンライン旅行会社が県内に拠点を設けるなど競争も激化している。
こうした中、単独経営を続けるよりも、丸紅の人材やノウハウを受け入れることで経営安定化を図れるとの判断があったのだろう。
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OTSが創業したのは、米軍統治下の1958年。
沖縄の観光業は、労働生産性の向上や待遇改善が求められてきた。今回の提携がこうした課題の解決につながるなら、同業他社にとっても刺激になるはずだ。
沖縄観光の未来を占う試金石ともなる。

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