ハリウッド映画界のレジェンド、監督・脚本家・プロデューサーのジョージ・ルーカス(79)が、5月にフランス・カンヌで開催される「第77回カンヌ国際映画祭」クロージングセレモニー(5月25日)で名誉パルムドールを授与されることが現地時間9日に発表された。

 「スター・ウォーズ」や「インディ・ジョーンズ」を語る上で欠かせない生みの親、ジョージ・ルーカス。カンヌからの申し出を受けて、「カンヌ国際映画祭は常に私の心の中で特別な場所を占めてきました。私の最初の映画『THX-1138』(1971年)が、監督週間と呼ばれる初めての監督のための新しいプログラムでの上映に選ばれたとき、私は驚き、そしてとてもうれしく思いました。それ以来、私は脚本家、監督、プロデューサーとしてさまざまな立場で何度もフェスティバルに戻ってきました。私にとって大きな意味を持つこの特別な評価を本当に光栄に思います」とコメントを寄せている。

 ジョージ・ルーカスの映画監督デビュー作となった『THX 1138』は、南カリフォルニア大学在学中に制作した実験的短編映画の1つを改作したSF映画。その後、自身が青春時代を過ごした1960年代の若者たちを描いた『アメリカン・グラフィティ』(73年)が大ヒットし、監督としてその名を広めた。

 映画祭主催者は「40年の間に、ジョージ・ルーカスは『スター・ウォーズ』サーガの9つのエピソードを通してハリウッド帝国を築き上げた。そのうち4つは彼自身が監督した」と、77年に公開された『スター・ウォーズ/新たなる希望』以来、多くの作品やクリエイターたちに多大な影響を与え続けていることに敬意を表したほか、さまざまな分野における先駆者としての貢献も称えている。

 ジョージ・ルーカスは、2012年にウォルト・ディズニー・カンパニーに買収された自身の会社ルーカスフィルムとそのほか多くの子会社とともに、あらゆることに取り組んできた。SFXスタジオ、Industrial Light & Magic(ILM)を立ち上げ、多くの新しい視覚テクノロジーを開発。THXという会社を通じて、サウンド面の進化にも大きな影響を与え、アニメーションスタジオのピクサーの母体も作った。

 プロデューサーとしても、『スター・ウォーズ』シリーズに加え 、黒澤明監督の『影武者』 から自身が生み出した『インディ・ジョーンズ』シリーズに至るまで、ほかの監督が才能を発揮する映画づくりにも関わってきた。