俳優の賀来千香子(62)が20日、沖縄県那覇市で開催された『第16回 沖縄国際映画祭 島ぜんぶでお~きな祭2024』内で行われた映画『おしゃべりな写真館』舞台あいさつに登場した。同作で初の幽霊役に挑んだ際のエピソードを語った。


 北海道の古い写真館に、目を患い失意のフォトグラファー・松原雄二(中原丈雄)がやってくる。写真館は2年前に亡くなった雄二の妻・敬子(賀来千香子)の実家で、継ぐことが義父・三國勘太郎(橋爪功)が遺言であった。ある吹雪の日、写真館の前で震える少女・吉本麻衣(山木雪羽那)を助ける。里親となり一緒に暮らす二人の前に、勘太郎と敬子の幽霊が現れる。幽霊もまた、心にわだかまりを抱えていた。十勝の自然と写真館を舞台に描かれる再生の物語。


 役作りで意識したことを問われた賀来は「(幽霊役が)初めてだったんですが、愛する人を残して自分が先だつのはどんな想いか、生前に届けたかった思いが届けられたのだろうか、自分がいなくなったらみんなが…とかを考えたら切なくて。初日に録音した冒頭のナレーションの部分でグッと来てしまって、がーっと泣いてしまった。途中に(収録を)止めてしまったくらい。そんなこともありつつ、命の尊さを大事にしたいと思って演じました」と語った。

 イベントには中原丈雄、山木雪羽那、藤嘉行監督も登場。藤監督は、2009年から2016年まで放送された賀来主演のドラマ『ヤメ検の女』などでも監督をしており、同作で再タッグ。
「あたたかいお人柄で、ファンがついてしまう。中原さんもすごくいい方で、大好きな人たちとの撮影でした」と振り返った。