本作は、“忘れられない恋”をテーマにした切ないラブストーリー。
藤原が演じるのは、葵わかなと神尾楓珠が演じる主人公、羽沢由宇と大崎真央の高校の同級生・西颯(にし・はやて)。真央とは実家が近く、中学時代からの一番の親友。仲間想いで、誰とでもフランクに接するため、男女問わず友達は多いが、一見、恋愛には興味がなさそうなキャラクター。本田望結演じる、颯の幼なじみで真央の妹・大崎莉津(おおさき・りつ)と、近すぎて一歩を踏み出せない幼なじみの関係を演じる。藤原に作品の印象や共演者との関係性を聞いた。
――台本を読んだ感想は?
【藤原】台本を読み始めてから“いち視聴者”として最終話が楽しみな気持ちになり、あえて台本の後半を読まずに衣装合わせに行きました。でも、監督に「最終話、どうでしたか?」って聞かれて、「すみません。今後どうなるのか楽しみで、あえて読んでいなかったんですけど、すぐに読みます」と言って、全部読みました。
これまでいろんな作品に出演させていただいたんですけど、その中でも演じたことのない新たな役どころだったので、すごく楽しみという気持ちと、僕自身、颯がどう進んでどう成長していくのか、“いち視聴者”としても楽しみな作品だなと思いながら、台本を読ませていただきました。
――今回演じる「西颯」の印象や、演じる際に意識していることは?
【藤原】颯は素直で、コミュニケーション能力も高い。
――藤原さんにとってラブストーリーとは?
【藤原】ラブストーリーの予告って上手く編集されているじゃないですか。予告を見て、今後の展開を予想したりしますね。「ここめっちゃ怪しくない?」「なんやねんあの表情こっちかよ(笑)」って考えながら見てます。僕は本当にテレビっ子なので、学生時代に次の日の学校で「昨日、〇〇見た?」って話すやつを29歳になった今でもやりたいんですよ(笑)。
ただ演じる側は、結末を知っていて、逆算というか計算をしながら演じないといけないので、より頭の回転が大事だなと思います。狙いすぎてもなんかミスマッチを起こしてしまうので、その塩梅の難しさはありますね。あとは距離感ですね。ひとつの動作や仕草によって、視聴者の感じ方が変わってきてしまうので、監督やカメラマンさんと相談しながら作り上げていきたいです。
――藤原さんのこれまでの経験を活かした、今作での役との向き合い方は?
【藤原】恋愛とはまた違うんですが、ライブでたくさんのファンの方の目を見ると、恋というか、“キュンキュン”してくださっているんだなと感じて。
――現場の雰囲気は?
【藤原】神尾くんは僕を舐めてます。いい意味で(笑)。「2人は共演してたの?」ってよく聞かれます。“親友”という役柄なので、それなりに距離感は縮めたいなと思っていたんですけど、初日に撮影したゲームをするシーンから、2人でキャッキャしながら撮影してました。
最初にあいさつしたときは、かわいかったですね(笑)。今は、僕のセリフがないシーンの直前に、僕のところにバァァってきて、「緊張すんなよ」って(笑)。そのくらい和気あいあいとした現場ですね。向こうも自然に距離感を縮めてくれたので、さすがだなって思います。作品の中で、役同士の空気感を出すのが俳優として大事だと思うので、それが2人で自然にできているのはうれしいです。
――颯の恋の相手、“莉津”を演じる本田望結さんの印象は?
【藤原】本田さんとは、表現が難しいシーンが多いので、俳優としてのキャリアが長い本田さんに引っ張っていただいています。
――自身が考える恋人と友達の境は?
【藤原】あんまり意識はしてないですね。「今のって“キュン”っていう行動になるの?」って聞いちゃうくらい鈍感で。台本を読んでいて、スタッフさんに「これってキュンキュンするんですか?」って聞くと「するに決まってんじゃん」ってめっちゃ怒られて、「すんねや…。」って(笑)。女性と男性で価値観はそれぞれ違うと思うし、僕はさらに変な価値観があるので、このドラマで日々勉強させてもらってます。あとは、(なにわ男子の)メンバーのちょっとしたボディタッチとか見て勉強してます。これは女子は喜ぶのかな、とか。常に勉強中です。
――なにわ男子のメンバーを見て勉強になることもあるんですね。
【藤原】メンバーみんな、距離感が近いんですよ。流星(大西流星)とかみっちー(道枝駿佑)は「おはよう」って言ってハグとかしてくるんで。この間同じように神尾くんに接したら、「お!?」って言われて。「やっぱ俺、距離近い?」って聞いたら「うん、近い」って(笑)。「メンバー同士で、こういうの普通にするからさ…」って話をしたんですよ。なので、不意にやっちゃってる部分はあるかも。その「ちょっと境界線を超えてきたな」というセンサーが僕にはまだ無いんですよね。センサーゆるゆるです(笑)。
――恋愛に向き合う役を演じていて、実生活に戻ったときに影響することはありますか?
【藤原】ドラマ撮影をしていると常にたくさんの人と1日一緒にいることが多いので、家に帰ると寂しいです。帰って、1人でご飯作って、ご飯を食べながら台本読んで…。で、現場に行ったら「おはようございます!」っていう(笑)。
――物語では、様々な“忘れられない恋”が描かれていますが、藤原さんのずっと忘れられない記憶は?
【藤原】小学校の球技大会でのサッカーの決勝戦です。最後同点でPKになって、決めたら勝ちっていうときに自分に順番が回ってきて。「俺、めっちゃ持ってる!アイドルやん!」って。最後、バーン!って決めて、女子がキャー!ってなって、イエーイ!ってなる想像ができて。で、思いっきり蹴ったら思いっきり外すという。『あ、俺はそっち路線のアイドルやないんや』って。木村拓哉さんとかだったらそういうとき絶対決めるじゃないですか?それを見てたんで、「俺もそういう路線や」って思ってたのに、外した瞬間に「あ、俺はそっち側じゃないんや」って。今でも鮮明に覚えてますね。