「龍が如く」シリーズは、「大人向けのエンタテインメント作品」というコンセプトの元、2005年に誕生。
「セガさんには申し訳ないんですが、私はゲームを一切しないもので…」といいつつ、「龍が如く」シリーズは知っていたという石橋。「こういったキャラクター、他にアニメや漫画や今回のようなCGのキャラクターに声を合わせるっていう仕事は初めてできて。今まで散々そのアフレコということを自分自身の作品でやってきたんですが。(今回は)非常に興味深かったですし、やってみてすごく楽しい仕事でした」と初体験にして、有意義なものになった様子。
今回、沖縄の極道一家の組長・名嘉原茂を演じるにあたり、深堀りして役作りに臨んだといい、「沖縄に住む任侠の男っていう設定でしたけども、1980年代に崔洋一監督の沖縄を舞台にした『Aサインデイズ』っていう映画に参加しました。その時にいろんな資料を集めて、自分で色々沖縄や沖縄の人たちのことを調べた思い出があるんですね。それを今回ちょっと思い出しながら…」と過去の経験を生かしたと語った。
また、「今回の名嘉原茂っていう男が発するせりふが、かなり沖縄や沖縄の人たちの本音って言いますか、そういう気持ちを吐露するシーンが多かったんですね。なので、横山さん(=セガ「龍が如くスタジオ」代表・制作総指揮の横山昌義氏)や演出の方に『こういったゲームという娯楽のメディアで、あまり社会的にならない方がいいですよね?』という確認をしたところ、『いや、ご自身のお気持ちでどうぞ』っていうことを言ってくださったので、自分が思う沖縄の人たちが伝えてらっしゃる怒りみたいなものを、気持ちを乗せてせりふで言ったという経緯でした」と、裏話を明かした。
このエピソードに横山氏も「たぶん収録する前に丸々1日かけていろいろお話させていただいて。だから、いつ生まれたんだとか、妻はいたのかとか、いたとしたら、じゃあなんで今いないんだとか。そういうのって脚本上、書かれてないことなんですけど、『僕らがイメージするので良いので』としたら、(主人公の)桐生目線の話ですから、そこでしか描かれていないところ、バックボーンを一緒にお話して詰めてからやっていただいた。これは、ものすごい役作りだなと思って、こちらも勉強させていただきました」と、石橋の役作りへの姿勢を称賛した。
なお発表会には、石橋、横山氏をはじめ、主人公・桐生一馬を演じる黒田崇矢、中村、徳重聡、松田賢二、本宮泰風、山口祥行、中谷一博が登壇。香川照之がビデオ出演した。また、新作とともに、人気任侠作品の『日本統一』と『龍が如く』がコラボした実写ドラマの制作も発表された。