ストップモーションスタジオのドワーフが開発中の時代劇アニメ『HIDARI』が、「第79回 カンヌ国際映画祭」(5月12日~23日)併設の映画見本市「マルシェ・ドゥ・フィルム」(5月12日~20日)で開催されるアニメーションプログラム「Cannes Animation」の「アヌシー・アニメーションショーケース」に選出された。

 現地時間5月17日には、原案・脚本・監督を務める川村真司とプロデューサーの松本紀子が登壇し、パイロットフィルムの上映とともに、長編映画化に向けたプレゼンテーションを行う。

 『HIDARI』は、数多くの作品と逸話が残る、実在不明の伝説的彫刻職人「左甚五郎」の物語を、彼の作品と同じ木彫人形を使って描くストップモーション時代劇。江戸時代の日本を舞台に、実在した歴史上の事件や人物と、オリジナルキャラクターたちが交じりあい、江戸城改築工事の現場で陰謀に巻き込まれた一人の男の復讐譚を描く。

 YouTubeで公開されたパイロット版は490万回再生を突破し、世界20以上の映画祭で受賞するなど、国際的な注目を集めてきた。制作はドワーフを中心に、川村監督のクリエイティブスタジオ・Whatever、ストップモーション分野で評価の高いTECARATの3社が共同で進行。現在は文化庁の支援事業「Film Frontier 長編アニメクリエイター支援」に選出され、長編化に向けた企画開発が進められている。

 資金面では、日本発オリジナルコンテンツをグローバルに届けることを目指すコンテンツファイナンス企業Questryによる支援が決まっており、新たな枠組みで、さらなる資金調達を進めている。

 またドワーフは、昨年の『Sunny』に続き同プログラムに2年連続で選出。世界でも例のない快挙となる。

 「アヌシー・アニメーションショーケース」の選出作品は多くが長編映画として完成・公開に至っており、過去には岩井澤健治監督『ひな』(2023年選出、長編映画制作中)や、松本大洋原作『Sunny』などが選出されている。直近では、四宮義俊監督『花緑青が明ける日に』が2024年に選出された後、「第76回ベルリン国際映画祭」コンペティション部門に正式出品され、今年3月に全国公開を果たしている。

 国際共同制作や配給につながる重要な場として知られる同ショーケース。世界の注目を集める『HIDARI』の今後の展開に注目だ。

■監督:川村真司のコメント

 夢の一つであったカンヌ映画祭にこうした形で参加することができ、大変光栄です。パイロットフィルムを完成させてから長編映画化へ向けた脚本作りや仲間集めをずっとチームと共に続けてきました。本彫の人形を一コマずつ動かして、アニメのようなアクション満載の時代劇を撮る。これは日本からしか生まれないようなユニークな映像表現だと思っています。今回このCannes Animation「アヌシー・アニメーションショーケース」という素晴らしいピッチの機会を得られたので、この作品への強い想いを世界中の映画関係者に届けてきたいと思います。

■プロデューサー:松本紀子のコメント

 パイロットの完成から3年。いま、Cannes Animation「アヌシー・アニメーションショーケース」でのピッチの機会をいただけたことは、この『HIDARI』という作品が、大きな物語を持った長編になることを信じて、期待してくださる人々がいることだと感じ、この上もなくうれしく思っています。コマ撮りのプロデューサーとしてさまざまな作品を手がけてきましたが、この作品はこれまでにないスケールの挑戦だと感じています。この作品の物語も含む全貌、そして新しい挑戦や出会いに満ちたワクワクする旅路と現在地、それを共に歩んでいる素晴らしい仲間のことをお話ししつつ、長編映画化を実現するためのパートナーを世界中から見つけていきたいと思います!

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