「大谷は早く打者に専念すべき」「ロボット審判はくだらない」江本孟紀氏がメジャーシーズン開幕1か月を辛口査定
「大谷は早く打者に専念すべき」「ロボット審判はくだらない」江本孟紀氏がメジャーシーズン開幕1か月を辛口査定

“エモやん”ことプロ野球解説者の江本孟紀氏が球界をバッタバッタと斬りまくる月刊連載がスタート。2026年シーズンが開幕してはや1か月が経過。

日本球界ではすでにいろいろなことが起きているが、まずは惨敗に終わったWBCを振り返ってもらった。

WBC惨敗も「井端は悪くない」

――野球ファンはもはや思い出したくもない話題ですが、3月のWBCでは準々決勝でベネズエラに完敗。初めて4強を逃しましたね。

江本孟紀(以下、同) 興味がないから今回はほとんど見てない(笑)。

――そうでしたか(笑)。大谷翔平選手の敗戦後の「勝てる要素もあったゲーム」というコメントから、選手たちはベネズエラが格上という認識だったのかなと感じました。

まぁ、中南米は本気出したら強いわな。“大谷効果”もあってWBCも儲かるようになってきて、大会収益の66%がMLBとその選手会に入る。となれば、中南米出身のバリバリのメジャーリーガーたちも「出なきゃしょうがねーか」って雰囲気になるだろうし。

それと相手のほうが調整のペースが早かった。中南米はウィンターリーグがあるから冬の間も体を動かしてる。日本はキャンプが終わって主力が出たり出なかったりのオープン戦の時期でしょ。もともと向こうのほうが有利なんだよ。

――先日、退任を正式発表した井端弘和監督は別に悪くない?

退任は仕方がないことだけど、なんの責任もないのに日本中から責められてかわいそうだよね。(投手の)球数だなんだといろいろ制限があって何も選手に言えない。そんな環境じゃ誰がやっても一緒。

――“投手・大谷”が登板できなかったのも痛かったかと。その大谷選手ももう31歳。彼が代表を引退したら日本のWBC熱も冷めそうです。

ちょうどいいんじゃない。今は出場することがステータスになってるし出ないと批判される空気になってるけど、出なきゃいけない義務なんてないんだから。

「メジャーと日本のレベル差なんてほとんどない」

――続いて日本人メジャーリーガーのお話です。村上宗隆、岡本和真という両スラッガーのここまでの成績はいかがでしょうか。前回、江本さんはふたりは活躍できると太鼓判を押していましたが。

今は日本とアメリカのレベル差なんてほとんどないからね。30球団もあれば選手も分散するし、球団によっては日本でも使えなさそうなやつがいっぱい試合出てるでしょ。

最近、日本に来る外国人がほとんど活躍しないのもそういうこと。

ピッチャーだって完投できるやつが全然いないんだから、それだけでもレベルの低さがわかる。

――村上選手は5試合連続となる10号ホームランを放つなど、量産体制に入っています。

日本であれだけやれたんだから素質的には驚きはないけど、ホワイトソックスは3年連続で100敗以上してるチームでしょ。相手も舐めてかかってきてるから(去年までの)ヤクルトと試合するようなもの(笑)。

―― 一線級のピッチャーに当たった時にどうなるかということですね。

俺が心配してるのは、村上も岡本も日本時代から長距離打者としてホームランを期待されていたこと。そのスタイルをアメリカで貫こうとすると、力負けして思うような成績が残せない。筒香(嘉智)もレベル的にはふたりと同等だったけど、スタイルを変えられずにまったく結果を残せなかったよね。

鈴木誠也がなぜ通用しているかと言ったら、彼は日本時代から中距離打者でホームランを打とうとしてるわけじゃない。体のバカでかいメジャーリーガーに囲まれると自分も大振りしたくなるんだけど、そこをグッと我慢できるかどうかが大事になってくる。

――彼らが活躍すれば、野手でメジャーに挑戦しようとしてる日本人選手を後押しすることにもなる。

でも最近はアメリカの球団も日本人、特に打者にはポスティング(システム)で金を出さないでしょ。

サトテル(佐藤輝明)が去年のオフにポスティングをめぐって球団と揉めたのも、譲渡金が低くなってるから。でもそりゃそうでしょ。大した金にもならないのに看板選手を手放すなんて、球団としては旨味がまったくない。

“ロボット審判”はくだらない

――大谷選手は今年から投手に本格復帰。ここまで4試合に登板して2勝0敗、防御率0.38ととても好調です。

俺はシーズン途中で壊れるんじゃないかと心配してるね。打者でも投手でもすごい選手だけど、両方やるとなると無理がきちゃって、もう2回も肘を手術してる。今季はその点をどれだけ慎重にできるかだね。

――4月16日の登板時では投手に専念させてたりと、ロバーツ監督も気をつかっていそうですね。

そういう姿勢を見せとかないとケガした時に叩かれちゃうからね(笑)。

大谷も今年で32歳。

今後の選手生命を考えてそろそろ打者か投手のどちらかに専念したほうがいいと思うよ。で、絞るなら5日に1回投げるピッチャーより毎日出られる野手のほうがファンサービス、商売的にもいいんじゃないか。

――DHだと選手生命も長くなりそうです。

ホントは守ったほうがいいよね。(アーロン・)ジャッジも大谷のことを内心、「守らないで楽だよね」って思ってるかもしれない。野手は守ってナンボ。守ってる時もお客さんに大谷を見せる、これもファンサービスですよ。

――今年からメジャーでABS(ロボット審判)が導入されたことが話題になっています。

アメリカはすぐそういうくだらないことをやりたがるからな。

――(笑)。ロボット審判、ダメですか……?

野球ってのはミステリアスなスポーツ。同じところを通ったきわどいボールでも、球が垂れてキャッチャーのミットがお辞儀したらボールになるし、キレがあればストライクになる。

誰一人として同じ球を放るピッチャーなんていなくて、画面で見るのと人間の目で見るのとじゃ感覚が全然違う。そこが面白いのに、機械を持ち出そうとしてるなんて……ね。

ピッチクロックだって試合進行を早くするために日本でも導入しようとしてるんでしょ。でも、試合で一番無駄な時間はリクエストなんじゃないのと。

――とりあえず使い切っとこうみたいな無駄なリクエストはたしかに多いですね。

野球というスポーツの審判は進行係なんだよ。大差の試合でバカ正直に判定する必要なんてなくて、ボールスリーなら多少外れててもストライクをコールして試合を進める。フォアボールになったら余計時間がかかるし、そうしたところで試合に何の支障もない。

アンパイアが「プレイボール!」と叫ぶのも、「この試合の進行係はオレだ!」って意思表示なわけ。杓子定規じゃないところも野球の一部なのに、どいつもこいつも勘違いしとる。そんなに正確にジャッジしてほしいなら、テレビゲームでもやってればいい。

――毒が止まらないですが(笑)、#2では開幕1か月が経過したプロ野球について聞きます。

こっちが本題です!

取材・文/武松佑季
写真/村上庄吾

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