テレビアニメ『Dr.STONE SCIENCE FUTURE』最終シーズン第3クールが、現在放送中。最終章にして、宇宙船に必須のキーパーソンとして龍水が名を挙げた“数学力、人類最強の男”と称されるSAI(サイ)が新登場し、物語をさらに盛り上げている。

そんな注目の新キャラクター・SAIについて、龍水との“兄弟関係”にも大きな関心が集まる中、龍水役の鈴木崚汰とSAI役の山下誠一郎にインタビューを実施。最終章から参加した山下が感じた『Dr.STONE』の魅力や、熟練のチームワークが光るアフレコ現場の空気感、そして対照的でありながらも強く惹かれ合う龍水とSAIの関係性について、たっぷりと語ってもらった。

【写真】鈴木崚汰×山下誠一郎のインタビュー撮りおろしが満載!(9枚)

■「龍水は崚汰くんじゃなきゃいけない」山下誠一郎が感じた『Dr.STONE』の熟練のチームワーク

――山下さんは、この最終章にてシリーズ初参加となります。もともと『Dr.STONE』について知っていましたか?

山下:以前から作品のことは存じ上げていました。オーディションの際に改めて原作コミックスを読ませていただいたのですが、まず感じたのは「長く愛され続けるべき作品だな」ということ。王道のジャンプ作品らしいワクワク感がありつつ、現代だからこそ読む意義の深さもあるというか。自分たちの日常や身近にあるもののありがたみや、そこにある可能性を改めて感じさせてくれる作品だと思います。本当に、これからもずっと残り続けていくべき作品だと感じました。

――鈴木さんは、演じる龍水の兄・SAI役に山下さんが決まったと聞いていかがでしたか?

鈴木:本当にピッタリだと思いました。

山下:これ、何度聞いても照れるなぁ(笑)。

鈴木:山下さんは、繊細にキャラクターの感情を演じられる方という印象がありました。なので、SAIの持っている繊細さや、人の良さみたいな部分とマッチしているなと感じて「これはもう間違いないな」と思いました。
実際にアフレコでお芝居を聞いた時も「やっぱり間違いなかったな」と改めて感じました。

山下:ニヤニヤしちゃって何も言えない(笑)。本当にありがたいお言葉です。「マッチしている」と言っていただけましたが、それは僕も現場に入って、崚汰くんや皆さんに対して感じたことでした。「龍水は崚汰くんじゃなきゃいけないんだな」と思いましたし、皆さんそれぞれが役と一緒に歩んできたんだなと強く感じたんです。

原作を読んで作品への理解はしていたんですが、あえてアニメは事前に見ないようにしていて。自分が現場に入ったときの楽しみに取っておこうと思っていたんです。演者の方々の人となりは知っているけれど、「実際にどんなお芝居をされるんだろう?」というのは、現場で初めて感じたいなと。実際にその場でお芝居を聞いて「このキャラクターにピッタリだ!」と思うくらい、皆さん本当に素晴らしくて。そういう意味でも、とても大きな感動がありました。

――『Dr.STONE』のアフレコ現場はどのような雰囲気だったのでしょうか。

山下:本当にチームワークがすごいなと感じました。
1年や2年では醸し出せない“ツーカー”の関係性というか。「こう来たらこう返す」というアドリブの応酬や、掛け合いのリズム、テンポ、盛り上げ方などが、本当に洗練されているんです。小林裕介さんが座長として現場を引っ張ってくださっていて。だからこそ、いい意味で余計な打ち合わせをしなくても、自然とその空気に入っていけるんですよね。すごく成熟した素敵な現場だなと感じました。

――鈴木さんが『Dr.STONE』へ出演が決まった際にもインタビューさせていただきましたが、小林さんが現場を引っ張っていると言っていましたね。

鈴木:そうですね。小林さんは多くを語る方ではないのですが、不思議と惹きつけられる魅力があって。周りのことをよく見ていらっしゃる方なので、「引っ張っていただいているな」というのは強く感じています。特にこの第3クールは、より一層、小林さんの集中力を感じるというか……。ご本人にしか分からない部分ではありますけど、 “ゾーンに入っている”ような感覚があって。そういう空気感も含めて、現場全体が引き締まっている印象ですね。


――物語においては、千空と一緒に龍水もチームを引っ張る存在です。その表現において意識したことはありますか?

鈴木:とにかくエネルギーで引っ張っていく、というのは登場してからずっと意識している部分です。ただ『Dr.STONE』の中でもかなりの時間が流れていて、宝島やアメリカでの出来事など、さまざまな経験を経てきた中で、人として確実に成長してきた。だからこそ、これまでの“エネルギー全開”な龍水とは少し違う、落ち着きのようなものも意識しています。その上で、しっかりリーダーシップを発揮できる存在としてのエネルギーをどう表現するか、というのは大切にしながら演じていますね。

■龍水とSAI、対照的な兄弟が生む“特別な関係性”

――SAIとの掛け合いについてはいかがでしょうか。

鈴木:SAIと会話しているときの龍水って、表情が純粋になるんですよね。目の輝きが増すというか……それだけずっとSAIのことを思い続けていて「ようやく再会できた!」という気持ちがあるんだと思います。その兄弟としての感情はとても大切にしながら演じさせていただきました。「一緒に旅ができる」というのは、龍水にとってもすごく楽しみなことだと思いますし、そのワクワク感も大事にしています。

――山下さんは、SAIをどのように演じられているのでしょうか。

山下:性格的にもSAIは「自分が自分が」と前に出るタイプではないので、龍水とは対照的な存在として描かれていますよね。
千空や龍水のように引っ張っていくキャラクターがいる一方で、そうではない、いわば“縁の下の力持ち”のような立ち位置も、この作品の中ではしっかり輝いていると思います。そういう意味で、SAIのポジションは自分の中ですごくしっくりきていました。掛け合いに関しても、最初はちょっとおどおどしていましたよね。ああいう反応が見られるのは今だけなのかなと思うと、すごく楽しかったです(笑)。初登場としてのインパクトも大事にしつつ、思いきり演じさせていただきました。

――先ほど鈴木さんから「山下さんの表現とSAIの繊細さがマッチしている」とお話がありました。山下さんは、鈴木さんと龍水に何か共通点を感じますか?

山下:よく「声は体を表す」と言いますけど、崚汰くんの持っている気質や心意気、熱量みたいなものは、本当に龍水にピッタリだと感じます。先輩方も多いキャストの中への参加だったと思うのですが、主人公の千空と並び立つ存在感を持つキャラクターを演じるというのは、本来かなり大変なことだと思うんです。若手の立場で、あれだけの貫禄を求められる役なので。でも、それをすごくナチュラルに表現できているのは“巡り合わせ”というか……崚汰くんじゃなきゃできなかったんじゃないかなと思います。

鈴木:僕も絶対に先輩がやるもんだと思っていましたからね。

山下:良い意味で、この作品は“置きに行かない”というか……守りに入らず、常に攻めている印象があります。
そういう制作の姿勢みたいなものは、龍水というキャラクターにもすごく通じているなと感じていて。現場でも「みんな龍水が好きなんだな」と感じることが多いんです。例えば、スケジュールの都合で崚汰くんが抜けた収録回があると、テストのときに龍水の台詞を「誰が読むか」でちょっとした取り合いになるんですよ(笑)。

鈴木:そうなんですか(笑)!?

山下:「はっはー!」など特徴的なセリフが多いからですかね(笑)。それくらい、やりたくなる魅力があるキャラクターなんだなと実感しました。キャラクターとしての造形も本当に魅力的ですし、幼少期のシーンも印象的でしたよね。龍水の幼少期は藤原夏海さんが演じているのですが、あれもまたピッタリで。「やっぱり龍水は龍水なんだな」と感じさせてくれる説得力がありました。SAIの幼少期は島袋美由利さんが演じているのですが、その繊細さがすごく役に合っていて。自分より前の時間軸を演じているお芝居からも、感じるものや学びがありました。改めて、キャラクター一人ひとりを大切にしている作品なんだなと実感しましたし、そこも『Dr.STONE』の素晴らしさだと思います。

――鈴木さんの気質や心意気が龍水にピッタリとのことですが、どうでしょう?

鈴木:アウトプットとしてポジティブな言葉が多い、という部分は、確かに似ているのかもしれないですね。
あまりネガティブなものを表に出さないというか、仮に持っていたとしても、自分の中で抱えて消化するタイプではあるので。今後の展開の中で、龍水にもそういった一面が見えてくる場面があると思うんですが、そう考えると、そういう部分ではリンクしているのかもしれません。

――お二人に印象を語ってもらっても、龍水とSAIは性格や気質などが対照的に感じます。兄弟ではありますが、現段階ではあまり仲が良いようにも見えていません。この関係性について、お二人はどう思いますか?

鈴木:完全に「龍水の片思い」ですよね。

山下:確かに(笑)。

鈴木:“家族写真に入れない二人”なので、どこか自分と似たものを感じた龍水は、SAIのことを気にかけているんだと思います。昔からずっと「一緒にやろう」と誘い続けてきたように、「自分がこれをしたい」というよりも「SAIと何かをしたい」という思いが根底にあるんですよね。だからこそ「本当にSAIのことが好きなんだな」と感じながら演じていました。ようやく復活させることができて「これから一緒に旅ができる!」というタイミングで振られてしまうので、そこはちょっとかわいそうだなとも思いつつ(笑)。素直になれない部分も含めて、二人らしさだなと感じました。

山下:まさに「片思い」なんですよね(笑)。SAIは「お前はすごい」「お前の力が必要だ」と言われてうれしいのですが、どこか自信が持てないんです。そういう複雑な感情って、すごく人間らしいなと思っていて。僕もそういう感情になることはありますし、ああいう真っ直ぐな思いを素直に受け取るって、実はすごくパワーがいることだと思うんです。SAIとしては、そういった部分で龍水へ苦手意識はあるけれど、それでもやはり兄弟特有の“好き”の深さや熱量は共通していると思います。龍水がいたからこそ、今のSAIがあるのかもしれない。これはあくまで想像なんですけどね。その関係性には、すごくロマンがあるなと感じています。

――山下さんが今触れたように、龍水とSAIには“好きなものに一直線”という共通点があります。山下さんと鈴木さんは、今“一直線になっている好きなもの”はありますか?

鈴木:どこでも同じ話をしているんですけど(笑)、今の趣味は古着とダーツですね。ダーツに関してはマイダーツも買って、かなりハマっています。一昨年に減量していた時期があったのですが、その時は会食にも行けないし、ご飯も楽しめない。でも、何か遊びたいなと思った時に「お酒を飲まずに、ひたすらダーツを投げ続ける」ということをやり始めたんです。気づいたら、シラフでずっと投げ続けていて(笑)。それくらいのめり込んでいますね。家にもボードを置いているので、時間があればずっと投げています。まさに“ブルに一直線”です。

山下:僕は、大好きな『バイオハザード』シリーズの最新作が最近発売されたので、それをずっとやっています(笑)。今はもう、ゾンビに一直線ですね。自分でも驚くくらい熱中していて、クリアした後は取りこぼしていた要素を回収して……と2~4周と繰り返しているのですが、まだ新しい発見があるんですよ! 難易度を上げるとまた違った楽しさもありますし、「ここをこうすれば攻略できる」といった自分なりのやり方を見つけていくのがすごく楽しくて。大人になってから、なかなかゲームにそこまで没頭できなくなっていたんですけど、「自分にまだこんな熱量があったんだ」とビックリするくらいハマっています。

鈴木:SAIもゲーム好きだから、そこも共通しているんです。

山下:本当だ(笑)。SAIを演じたこともあって、「これも全部0と1でできているんだ」と思うと……ボタン一つで弾が出る仕組みを作れるなんて本当にすごいなと感じて。役を通して、ゲームの見方や楽しみ方がさらに広がった気がします。

――ありがとうございます。最後に、放送を楽しんでいる方へメッセージをお願いします。

山下:本当に素晴らしい作品に参加させていただけて、心から光栄に思っています。現場もとても温かく、先行上映やイベントなどを通して、ファンの皆さんと一体となって「最後まで一緒に歩んでいくんだ」という気持ちを強く感じています。僕自身は途中からの参加にはなりますが、『Dr.STONE』の魅力を皆さんから教えていただきながら、最後まで一緒に盛り上げていけたらと思っています。これからよろしくお願いいたします!

鈴木:この最終クールでは、人類がトライアンドエラーを繰り返しながら積み上げてきた科学や英知の重み、その素晴らしさをより強く感じていただけると思います。物語としても、いよいよ“敵の本丸”である月へと向かっていく中で、さらに過酷なクラフトが待ち受けています。ロケットの作り方やエンジンの仕組みなど、ここまで踏み込んで描かれる作品は『Dr.STONE』ならではだと思いますし、僕自身にとっても学びの多い作品だと感じています。ぜひ最後まで見届けてください。引き続き応援よろしくお願いいたします!

(取材・文:米田果織 写真:吉野庫之介)

 テレビアニメ『Dr.STONE SCIENCE FUTURE』(第3クール)は、TOKYO MXほかにて毎週木曜22時放送。

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