愛知県長久手市のジブリパークで7日、新たな企画展示「パノラマボックス展」のメディア内覧会が行われた。会見では、ジブリパーク監督の宮崎吾朗監督が、父で85歳の宮崎駿(崎=たつさき)監督について「今も新しい絵を描いている」と明かし、新たな作品制作を続けていることを語った。


 吾朗監督は、「なんか、うんざりするというか、『いい加減にしてほしいな』という気持ちもあります(笑)」と親子ならではの軽妙な語り口で会場を和ませつつ、「ここまで来たら、死ぬまで絵を描いていてほしいな、と思います」とコメント。「今も新しい絵を描いているんですよ。箱から絵がはみ出しちゃって、枠がなくなったパノラマボックスみたいになっているんですけど」と、衰えることのない創作意欲に敬意を示した。

 「パノラマボックス展」では、宮崎駿監督が映画『君たちはどう生きるか』(2023年)の制作終盤から約3年をかけて手がけた31点のパノラマボックスを展示する。

 パノラマボックスは、宮崎駿監督が子どもの頃に夢中になっていた“紙工作”を原点に、箱の中に複数の絵を重ねて配置し、映画のワンシーンのような奥行きのある世界を表現した立体作品。

 『風の谷のナウシカ』から『君たちはどう生きるか』までの長編作品をはじめ、三鷹の森ジブリ美術館やジブリパークで上映される短編作品、さらにオリジナルの新作を題材にした作品が展示されている。

 会場デザインは、『君たちはどう生きるか』に登場する「時の回廊」をモチーフに構成。扉のように見える壁には窓があり、引き戸を開けてのぞき込むとパノラマボックスの世界が広がる演出となっている。

 風に揺れる草木や海を泳ぐクジラや魚たち、今にも動き出しそうなキャラクターたちが立体的に表現され、笑い声や波音、エンジン音まで聞こえてきそうな世界が広がる。

 吾朗監督は「閉じた箱の中に時間と空間を封じ込めることができる能力こそが、宮崎駿監督作品を生み出している力にほかならないのだと改めて感心させられる」と、その表現力を称えている。

 窓の高さは子どもの目線に合わせて設計されており、吾朗監督は「子どもたちには、まず見てほしい」と呼びかけた。

 「ジブリも長く続いていますから、古い作品はなかなか目にする機会が少ないと思います。
でも、この展示をきっかけに『こんな作品があるんだ』『また見てみよう』と思ってもらえたら、僕らにとってはとてもうれしいことです」と、新たな世代へジブリ作品が受け継がれていくことへの期待を語った。

 「パノラマボックス展」は、本日(7月8日)から当面の間開催する予定。また、企画展示室の「ジブリがいっぱい展」もあわせて展示がリニューアル。高畑勲監督や宮崎駿監督とともにジブリの設立に参加し、数々の作品を世に送り出した鈴木敏夫プロデューサーにまつわる展示が新たに加わっている。

 両企画展示室の鑑賞には、ジブリの大倉庫の入場チケット(予約制)が必要となる。
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