全日本スキー連盟(SAJ)は8日、2030年フランス・アルプス地域で開催される冬季五輪の実施競技から複合が除外されたことを受けて、都内で会見した。五輪メダリストでもあるSAJの河野孝典競技本部長は「オリンピックを目指してきた選手、支えるスタッフの人たちを考えると、なくなることは非常に残念。

選手にかけられる言葉がない」と話し、無念さをにじませた。

 7日、国際オリンピック委員会(IOC)が開いた理事会で、30年五輪で実施競技、種目を決定し、ノルディックスキー複合を除外すると発表。IOCは国際的な普及度や人気の低さを問題視。ジェンダー平等の観点から、五輪で女子が実施されていないこともネックとなっていた。河野競技本部長は「(22年)北京五輪が終わってから除外するかの議論が始まっていた。IOCの方が評価項目を設定して評価していたと思うんですけど、FIS(国際スキー・スノーボード連盟)はその評価が上がる努力をしてきたが、それがミラノ・コルティナ(五輪)では不十分だったんだろうなと思っています」と話した。その一方で「評価項目がありながら評価の公表がされていない。その辺は示していただければと思う」と苦言を呈した。

 34年以降の五輪で再び採用される可能性はあるものの、「ニュース記事で読んだだけで詳しいことは分かりませんし、FISから正式な話がきたとか、IOCから具体的な話がきたというわけではないのでこれ以上はコメントができないかな」と話すにとどめた。

 種目が除外されたことで競技人口の減少が懸念される。「今回の除外にかかわらず競技人口は減っている。ジャンプは正式種目として残されているわけじゃないですか。

特にジャンプの選手は半分くらいはコンバインドの経験者。そういった意味でクロスカントリーが彼らの競技力の向上にひと役買っていると思う。なので、少なくともジャンプの選手もクロスカントリーができるようなそういう道筋を残した方が、ジャンプのレベルを上げるためにも必要だと思う」と話した。

 複合は、ジャンプと距離を組み合わせた競技で、1924年の第1回冬季五輪シャモニー大会から実施されてきた伝統競技。日本は過去、荻原健司らで挑んだ92年アルベールビル大会、94年リレハンメル大会の両五輪団体で金メダルを獲得。さらに、25~26年シーズン限りで引退した渡部暁斗が、2014年ソチ大会から3大会連続でメダルを手にするなど、お家芸と言われ、世界をリードしてきた。渡部暁は、五輪除外に危機感を募らせ、現役時代からSNSなどで存続を訴え続けてきたが、思いは届かなかった。

編集部おすすめ