株式会社はてな(東証グロース、コード3930)は4月24日、不正な送金指示に起因する資金流出事案が発生したと発表しました。
被害対象額は、4月24日時点で最大約11億円としています。
■ 不審な送金を銀行が連絡 従業員が虚偽指示に従い送金
発表によると、事案が判明したのは4月21日。取引先銀行から「不審な送金が行われている」と連絡があり、社内で確認したところ、4月20日および21日に同社従業員のアカウントから、会社の銀行預金口座から外部口座への送金が実行されていたことが分かりました。
当該従業員に確認したところ、悪意ある第三者から虚偽の送金指示があり、それに従い外部口座への送金を行っていたことが判明したそうです。従業員は21日の送金完了後、指示が虚偽であり、犯罪に巻き込まれた可能性が高いと考え、警察へ連絡したといいます。
はてなでは被害確認後、警察に相談するとともに、関係金融機関に事故を報告。被害回復に向けた措置を講じているとしています。また、代表取締役を中心とする対策本部を設置し、弁護士など外部専門家による事実関係の調査も進めているとのことです。
なお、個人情報および顧客情報の流出については、従業員のPC操作ログなどを解析しているものの、現時点では確認されていないとのこと。引き続き、外部専門家とともに詳細な調査を続けるとしています。
業績への影響については、今後の捜査や回収状況によって損失額が変動する可能性があるため、確定後に特別損失として計上する予定です。通期業績予想への影響は現在精査中としています。
手元の運転資金については、十分な流動性を確保しており、本件によって事業運営や資金繰りに支障をきたすものではないと説明。株主や投資家をはじめ、関係者に迷惑と心配をかけたとして謝罪しています。
■ 企業を狙う虚偽の送金指示、相次ぐ被害に注意
今回のようなケースは、いわゆる「ビジネスメール詐欺」や「なりすまし指示」に近い手口とみられます。警察庁でも2026年2月、「ニセ社長詐欺」として注意を呼びかけています。
手口は、会社の代表者や上司などを名乗る人物からメールが届くことから始まります。その後、「急ぎの要件がある」などとして、LINEなどのSNSグループを作成するよう指示。さらに、送金権限を持つ担当者を招待させ、緊急の支払いなどを理由に、指定口座への送金を求めるというものです。
はてなの発表では、この手口に該当するかどうかまでは明らかにされていません。ただ、年明け以降、法人を狙った同種の被害は相次いでおり、NHKなどの報道によると、2026年2月末までの2か月間で被害総額は20億円余りに上ったとされています。企業を狙った同様の手口には、引き続き注意が必要です。
<参考・引用>
株式会社はてな:IRニュース「資金流出事案の発生に関するお知らせ」(4月24日)
警察庁:法人を対象とした詐欺(ニセ社長詐欺)に注意!(2月13日)
NHK:「ニセ社長詐欺」全国で20億円被害 企業狙う手口に注意を(4月15日)
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