有名企業家が運営を務める、売れるキャバ嬢を養成するための専門スクールが開講されたようだ。歓楽街で名を馳せる売れっ子キャストの特別講義を受けられ、元祖・有名嬢の直接指導もアリ。

 3ヶ月で人気者の道を目指せるカリキュラムだが、内容どうこうではなく、スクールの存在が物議を醸している。

“キャバ嬢スクール開校”にSNSで議論が過熱する背景

「3ヶ月で80万円」“キャバ嬢スクール”に批判噴出…SNSで...の画像はこちら >>
 現代では、昨今の“多様性”が関係し、キャバ嬢がスポットライトを浴びる時代に移行しつつある。かつては日陰の商売と呼ばれていた夜職も多くの人々に注目され、「将来の夢はキャバ嬢」なんて夢を抱く女子高生が次々と現れているらしい。

 こんな現実問題が災いし、スクールに対する批判的な声が出ている。「情報弱者に対するビジネスでは?」という指摘も多く、様々な意見がXを中心にぶつかり合い、影響は海外にまで及んでいるようだ。

 元セクシー女優として活動していた筆者としては、スクールの件は反対派だ。そもそもの話「キャバ嬢デビューのための勉強なんてする必要ないのでは?」というのが本音である。

学費80万円超の高額設定…本当に回収できる?

 SNSの情報によると、学費は3ヶ月で約80万円~と決して安くはない。受講生となり、月収100万円以上になればすぐさま回収できる金額なのだろうけど、この仕事には向き・不向きがある。絶対に回収可能とは限らず、途中離脱すれば、80万円を超える出費はかなりキツい。

 スクールを検討する人は「売れるキャバ嬢」が目標なので、入会の段階で高収入の仕事に就いていることはほぼないはず……。よって、確実に回収できなかった場合は結構な額を損してしまう。

 これに関しては、どんな専門スクールにおいても似たようなことが言えるため、百歩譲って妥協できる点かもしれない。私が思う最大の疑問は「水商売における事前知識や勉強に対して80万円も払う必要があるのか」ということだ。


人気商売における座学に価値はあるのか

 そもそも、人気商売は弱肉強食の世界である。元の性格と見た目、経験値が強く関係し、肌に合えば継続可能で、そうでなければ夢に破れて街を去る。夜職など、そのくらいシンプルな構造で成り立つため、歓楽街での成功者たちが水商売を就職先の第一候補のように仕向ける姿勢には、少し納得がいかない。

 それにセクシー女優や芸能人などもそうだが、人前に出る仕事は現場に出て褒められ、叩かれ、悔しい思いをして学びを繰り返し、ようやく成長へと繋がる。

 もちろん演技レッスンなどは必要だが、それ以外は全て“リアル”が一番の学びである。特にキャバ嬢のような“正解がない仕事”となると、基礎だけ押さえれば、あとは全て自分次第。いくら座学やアドバイスを受けても、他人からの教えは補助的要素でしかない。果たして、そこに80万円~の価値は本当にあるのだろうか。

世間に見過ごされがちな「夜職のリスク」

「3ヶ月で80万円」“キャバ嬢スクール”に批判噴出…SNSで議論が過熱する理由
元セクシー女優で現在はフリーライターの「たかなし亜妖」
 近頃の女子高生の中には将来の夢に「キャバ嬢・ラウンジ嬢」を掲げる子もいるほど、水商売キャストのメディア露出が著しい。しかし夜職は、将来性の問題や、一般的な感覚を失いやすいといったデメリットがある。そういった部分が見えていないからこそ、憧れる若者がいるのだろう。

 世間からの偏見、不安定な将来性、常識や金銭感覚のズレ……。現実をイヤというほど知っていれば、決して他人に勧められる商売とは言えない。

ギャンブル性の高い商売に高額な受講費を払う必要性は…

 生徒のデメリットはそこそこ多く、ギャンブル性が高い日陰の商売を目指し、高額の受講費を支払う時点で、ある意味マイナススタートと言えよう。


「キラキラしたい!高収入を目指したい!メディアに出たい!」なんて気持ちはわからなくもないが、基本的に夜職は“打ち上げ花火”。そこへ80万円~の価値はあるのか、また先々のことまで見えているのか、夜職に就く必要性があるのかまでを、受講を検討している人にはじっくりと考えていただきたく思う。

 自分の人生を作るのは自分で、自分の人生に後悔を招くのもまた、自分なのだから。

文/たかなし亜妖

―[元セクシー女優のよもやま話]―

【たかなし亜妖】
元セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。
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