2026年は、日本で「旧石器時代」が発見されてから80年。東京国立博物館は6月16日(火)から8月23日(日)まで、平成館企画展示室で特別企画「ビフォー縄文 旧石器時代発見80周年」を開催する。

かつて日本考古学の常識であった「縄文時代以前の日本列島には人類が存在しなかった」という定説を覆し、土器を伴わない「旧石器時代」の存在を証明した「岩宿遺跡」(現・群馬県みどり市)の発見。同展はその重要な研究成果に光を当てる。

 昭和21年、群馬県桐生市在住の相澤忠洋氏は岩宿の崖で黒曜石の欠片を採集。相澤氏は昭和24年にも赤土の中から槍先形尖頭器を発見し、縄文以前に人間の生活があったことを確信する。これをきっかけに明治大学考古学研究室による発掘調査が行われ、日本列島における旧石器時代の存在が学術的に裏付けられた。今回の展示では、在野の考古学者・相澤氏の採集品や岩宿遺跡の出土品を中心に、日本の旧石器文化の全貌を紹介する。中でも、刃先が磨かれた重要文化財の石斧など、当時の高度な技術を物語る資料は、世界的にも高く評価されている。

 展示は日本の出土品にとどまらず、世界各地の旧石器時代を代表する石器まで網羅。多角的な視点から人類の道具の歩みを見つめ直すことができる。フランスのサン・タシュール遺跡で採集されたハンドアックスやインドのクリーヴァーなど、同館が明治から昭和初期にかけて収集してきた貴重な海外コレクションが集結。さらに、現代の技術で復元された狩猟具のレプリカや、当時の日当たりの良い水辺での暮らしを再現したジオラマなどを通し、然の中で移動しながら生きた人々の姿をリアルに体感できる。

 会期中には、旧石器時代の魅力を掘り下げる月例講演会や、黒曜石の原石から石器が作られる過程を間近で観察できる実演イベントなど、知的好奇心を刺激する関連企画も多数予定している。

 開館時間は9時30分から17時まで。観覧料は一般1000円、大学生800円。高校生以下は無料。講演や実演イベントは、東京国立博物館ウェブサイトに掲載されているフォームから事前に申し込む。

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