■ランキング全体の傾向
新型コロナウイルス感染症拡大の収束が見えないことに加え、国際情勢にも変化が見られるなど、不安定な状況が続いている。そういった中で、人々が生活や生き方を振り返り見つめ直す機会が増え、それぞれの心の内にある興味・関心、そして不満や課題をより具体的に自己認識したのではないかと推測する。
>>「2022年 上半期ベストセラー」 https://www.nippan.co.jp/ranking/annual/
>> PDFデータはこちら https://www.nippan.co.jp/wp-content/uploads/2022/05/2022kamihankibest_20220601.pdf
■ジャンル別の傾向
【総合】『人は話し方が9割』が前回に続き第1位!
『人は話し方が9割』は、2021年上半期ベストセラー第4位、2021年年間ベストセラー第1位と、ロングセラーとなっている。
第3位が『ジェイソン流お金の増やし方』、第9位は『本当の自由を手に入れる お金の大学』。ビジネス書の購買層は通常男性メインであるが、今回ランクインした作品は、女性の読者をうまく取り込んでいることが売上増大に貢献していると言える。
第6位には幻の”予言漫画”復刻!と話題になった『私が見た未来 完全版』がランクイン。いつ何が起こるか分からない未来への不安の表れか、注目が集まった。
第10位は2022年1月に公開された映画「真夜中乙女戦争」の原作者でもあるTwitter発ポエム作家Fの『20代で得た知見』。20代のみならず、世代を超え幅広く支持されている。
そして今回、第12位『TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ』、第15位『ネイティブなら12歳までに覚える 80パターンで英語が止まらない!』と、語学関連本が20位以内に2冊ランクインしているのが特徴的だ。グローバル社会に求められる英語に関心が高まっていることがうかがえる。
2022年本屋大賞受賞作の『同志少女よ、敵を撃て』が第2位、変わらず高い人気を誇る東野圭吾の『マスカレード・ゲーム』が第17位、直木賞受賞作の『黒牢城』が第20位となり、小説人気も再燃している。
【単行本フィクション】逢坂冬馬デビュー作『同志少女よ、敵を撃て』が第1位に!
第1位に輝いたのは逢坂冬馬の『同志少女よ、敵を撃て』。
【単行本実用】料理研究家人生の集大成『リュウジ式至高のレシピ』が第1位
新型コロナウイルス感染症の影響が続いたことで、外出制限や世の中に対する不安のためか「自炊」や「健康」、「占い」などへの関心の高まりが感じられるランキングとなった。第1位を獲得した『リュウジ式至高のレシピ』は著者リュウジ自身の自炊生活集大成として出版され、累計発行部数16万部を突破。
【単行本ビジネス】コミュニケーションや資産形成への関心の高まり
『人は話し方が9割』が第1位を獲得し、累計発行部数は105万部を突破した。同著者の『人は聞き方が9割』も第6位にランクインしており、2タイトル合わせてTVでの紹介やSNSでも話題になり、ウィズコロナにおいてコミュニケーションの変化を不安視する人が多いとみられる。また、物価上昇など経済への不安から資産形成・資産運用への関心が高まり、関連書が第2位・第3位にランクイン。なかでも『ジェイソン流お金の増やし方』は数多くのYouTube動画やメディアに取り上げられ大幅躍進し、発売から約半年で累計発行部数37万部を突破した。
【新書フィクション】「呪術廻戦」関連作品が引き続き人気
第1位は『劇場版 呪術廻戦0 ノベライズ』。「週刊少年ジャンプ」で連載中の人気作品「呪術廻戦」シリーズに繋がる前日譚を題材とした、2021年12月公開の映画の原作ノベライズ本である。第2位は『SPY×FAMILY 家族の肖像』。2022年4月よりTVアニメの放送が開始され、人気にさらに火がついた。第3位は『国王の受難 デルフィニア戦記外伝(4)』。
【新書ノンフィクション】累計発行部数26万部、詩想社新書が第1位に
創業から8年の新興出版社である詩想社の新書が第1位を獲得する快挙となった。現代の健康になった70代の10年間を「人生最後の活動期」としたうえで、いかに過ごすかを説いた『70歳が老化の分かれ道』が第1位となり、累計発行部数26万部を突破。同著者の『80歳の壁』も第3位にランクインしている。第2位は「壁シリーズ」の最新刊、養老孟司『ヒトの壁』。2021年11月に99歳で亡くなった、瀬戸内寂聴の『寂聴 九十七歳の遺言』が第4位となり、『今を生きるあなたへ』が第6位にランクインした。
【文庫】お金の使いかた貯めかたが書かれた『三千円の使いかた』が文庫の第1位!
節約志向の生活を描いた家族小説『三千円の使いかた』が第1位、2020年本屋大賞受賞、2022年5月映画公開の『流浪の月』が第2位となった。第3位はアカデミー国際長編映画賞を受賞した「ドライブ・マイ・カー」他短編小説6篇が入った『女のいない男たち』。こちらも映画化により注目を浴びていたが、2022年2月のアカデミー賞ノミネート後に話題となった。第4位の『余命10年』は、2017年の静岡書店大賞「映像化したい文庫部門」で大賞を受賞し、2022年の映画化によりさらに注目を浴びた。第5位は4月にTVドラマ化された作品の『元彼の遺言状』、第6位も映画化された『そして、バトンは渡された』と、第2位から第6位までは映像化作品がランクインするという結果となった。
【児童書】ポケモン、パンどろぼう、かいけつゾロリなど人気コンテンツ、シリーズが上位に
第1位は『898ぴきせいぞろい!ポケモン大図鑑(上・下)』。
【写真集】第1位は人気YouTuberコムドット!
男性5人組YouTuberコムドット初の写真集『コムドット写真集 TRACE』が第1位を獲得した。メンバー5人の特別版カバーバージョンも発売され、全バージョン合計で累計発行部数32万部を突破し、第2位以下を大きく離した。男性写真集が第1位となるのはベストセラーランキングでは珍しく、人気の高さが際立った。第2位は『生田絵梨花 乃木坂46卒業記念メモリアルブック カノン』、第3位は乃木坂46デビュー10周年を記念して刊行された『N46 MODE vol.2 乃木坂46デビュー10周年記念公式BOOK』、第4位は『日向坂46河田陽菜1st写真集 思い出の順番』と続き、10位以内に坂道シリーズ7点がランクイン。うち3点がメンバーのグループ卒業に合わせて刊行された作品となった。
【コミック】「呪術廻戦」「東京卍リベンジャーズ」の人気確立!「SPY×FAMILY」もアツい!
2021年12月の映画公開に合わせて発売された「呪術廻戦(18)」が第1位となり、同じく2021年夏に実写映画も大ヒットした「東京卍リベンジャーズ(25)」も第4位にランクインし、ともに大ブームを巻き起こしている。
■日本出版販売は書籍・雑誌の流通を担う業界売上第1位の出版販売会社(出版取次)です。
■弊社ベストセラー情報は、約3,000軒の書店様のPOS販売データを基に、全国の書店様での販売状況を総合的に勘案して作成しております。
■集計期間は2021年11月22日~2022年5月21日です。
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