6月11日に開幕した2026年FIFAワールドカップは、7月19日の決勝(スペイン対アルゼンチン)を残すのみとなった。48カ国が参加した史上最大規模の大会は、熱戦の裏で数々の"物議"と"珍事"を生み続けている。
VARと政治介入が揺らした公正さ
大会を通じて最大の火種となったのが、VAR判定を巡る不信感だ。ラウンド16のアルゼンチン対エジプト戦では、2点リードしていたエジプトが終盤に3失点で逆転負け。ゴール取り消しやPK判定を巡り、エジプトサッカー協会は正式に抗議し、ホサム・ハッサン監督は「騙された」と語ったと海外メディアは報じている。
さらに物議を醸したのが、アメリカ代表FWフォラリン・バログンを巡る一件だ。ラウンド32で退場処分を受けたバログンだったが、トランプ大統領がFIFAのインファンティーノ会長に直接電話をかけたことで出場停止が覆り、決勝トーナメントでプレーを続けた。UEFAはこの対応を「一線を越えた」と厳しく非難している。
入国管理を巡る混乱も相次いだ。ソマリア人審判のオマル・アブドゥルカディル・アルタン氏は、有効なビザを持ちながら渡航禁止令を理由に入国を拒否され、大会に参加できなかった。開幕前にはセネガル代表の空港での保安検査映像がSNSで拡散し「まるで犯罪者のような扱い」との批判が上がったが、同国サッカー協会は搭乗前の通常手続きだったと説明している。
また、練習会場でボールが弾まない天然芝に選手たちが戸惑う映像も出回り、NFL用に整備された会場特有の芝質を疑問視する声が出た。運営面でも、変動価格制によるチケットの高騰や、暑さ対策の給水タイムが広告放送に使われたことへの批判が相次いだ。
アヒル、ヤギ、ゴミ拾い……心温まる珍事も
一方で、大会を明るく彩ったのが数々の珍事だ。
心温まる場面もあった。グループステージで日本とオランダが2-2で引き分けた試合後、試合中継の解説を務めていた元NFL選手のジェイミス・ウィンストン氏が、客席のゴミ拾いを行う日本人サポーターに加わった。名前入りの日本代表レプリカユニフォームを着てゴミ袋を手にする姿が撮影され、同氏は「サポーターがスタジアムや大会に見せる敬意に感銘を受けた」と語ったと海外メディアは伝えている。
このほか、開幕戦のメキシコ対南アフリカ戦で3枚のレッドカードが乱れ飛んだことや、2018年大会の縁で韓国とメキシコのサポーターが交流を深める様子なども、大会のSNSを賑わせた。

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