
J1柏レイソル(現16位)は28日、リーグ戦第29節東京ヴェルディ(現10位)戦に向けて柏市日立台で練習を行った。DF犬飼智也はDF古賀太陽が不在となる次戦で勝利するため、チーム全員に奮起することを求めた。
前節サンフレッチェ広島戦は0-2で敗れた柏。優勝争いをしている広島との差が攻守ともに浮き彫りになった。
「強かったです。あの試合での勝敗が、上にいるチームと僕らの差だと思います。チームとして完成度が高いですし、圧力を感じました」
犬飼は続けて「潰し切らないといけない場面で、僕らは潰せていなかった。攻撃に関しても変な奪われ方や相手に勢いを乗らせる奪われ方を、広島はほとんどしていない。逆に、僕らはまだスピードアップするべきではないタイミングでパスをしてしまい、相手に奪われている」と広島戦を分析。そのうえで「これまでの中で成熟度が一番高い相手だった」と広島を評した。
ただその中でも通用した部分がある。「カウンターになったときの前に行くパワーは、逆に広島相手でも仕留められるチャンスがあると思った。そこは自分たちの武器なので、活かすために後ろの選手も貢献したい。もちろん保持もしますが、まずは背後。
「あの試合を受けて大きく変わることはない。浮き彫りになった部分を変えたい気持ちはありますが、積み上げていくためには軸をブラさないことも大事だと思う。大きな軸はブラさずに出た課題を手直ししたい」と、今季積み上げてきたスタイルで東京V戦の勝利を目指す。
一個でも上の順位でやるんだ
しかし懸念材料もある。柏は後半38分に古賀が得点機会阻止により退場したため、東京V戦には出場できない。ここまでチームを支え続けたキャプテンの欠場は痛いが、犬飼は「センターバックであればいつか退場はする」と割り切っていた。
「太陽が出られないことはチーム的にもしんどいですが、そんなときこそ奮起しないといけない。もちろん太陽とは長くやっているので、目を合わせなくてもポジショニングやスピード感、距離感はなんとなく把握できます。だからその分、普段とは違うコンビであれば『見る』必要も出てくる。でも、みんなしゃべられるし、練習からやっているので不安はないです」とベテランは強調。
東京Vについては「順位的にも近いですし、連敗はできない。
柏は現時点で勝点33の16位に沈んでおり、降格圏である18位のジュビロ磐田との勝点差はわずか5ポイント。残留争いに巻き込まれないためにも、東京V戦は勝利したい。
犬飼は「勝点を見たら危機感は必要かもしれない。でも下を見るんじゃなくて、『1個でも上の順位でやるんだ』という気持ちでいく。まだまだ一桁を目指せる順位でもある。切羽詰まった戦い方をするのではなくて、自分たちがトライをすることで上に食らいつく戦い方ができればいいと思います。上を向いて頑張りたい」と意気込んだ。
公式戦3試合ぶりの勝利を目指す柏はチームの真価を発揮したい一戦だ。背番号13を中心に東京Vの攻撃陣をシャットアウトし、ホームでの勝利を目指したい。