
今季のJ2ジェフユナイテッド市原・千葉はシーズンの佳境を迎えている。
直近に行われた第26節ファジアーノ岡山戦(0-0)終了時点での成績は11勝11敗4引き分けの勝点37で8位。
シーズンは残り12試合。現在1位の清水エスパルスが勝点55であることを考えれば、負けられない戦いが続く。
そこで今回は、千葉が上位進出を目指すうえでのキーマンとなり得る選手を紹介する。総力戦が求められる後半戦で、以下の選手たちの活躍に注目したい。
DFラインのリーダーになれるか
DF佐々木翔悟
左足の正確なキックが特徴のDF佐々木翔悟は、千葉のバックラインにおける要へと成長した。今季序盤こそ出番が限られていた佐々木だが、第13節のいわきFC戦をきっかけに出場機会を獲得。それまでスタメン出場していたDF久保庭良太とDF鈴木大輔の負傷もあり、一気に千葉のセンターバックにおけるファーストチョイスへと躍り出た。
またDFながらここまでシーズン3アシストを記録しており、攻撃面での貢献も大きい。コーナーキックにおけるキッカーを務めるほか、ミドルシュートや低弾道のロングフィードで千葉の攻撃を活性化させる佐々木の存在は、残りのシーズンを戦い抜くうえで必要不可欠だ。
ただし、課題はディフェンス・リーダーとしての立ち回りだ。キャプテンの鈴木が今季絶望的である状況を加味すれば、DFラインの統率をとる役目は実質的に佐々木が担うべきだろう。
不動の右サイドバックへと成長した
MF髙橋壱晟

MF髙橋壱晟は今シーズンで自らの地位を確固たるものにした。昨季から右サイドバックにコンバートされ、今季は本格的に右サイドの守りを主戦場としている。第24節熊本戦は累積警告により欠場したが、同試合を除いたリーグ戦に全試合に出場しており、小林慶行監督政権下における不動の右サイドバックへと成長した。
豊富な運動量とキックの技術で千葉の攻守を支える髙橋。長短のパスを使い分けて千葉のビルドアップに貢献するほか、試合終盤でもサイドを駆け上がる身体能力の高さは、小林監督の志向するサッカーを表現するうえで欠かせない。今季の千葉における最も替えがきかない選手と言っても過言ではない。
逆にいえば、千葉としての懸念点は髙橋不在時の試合をどうするか。ここまで負傷離脱がないだけに、髙橋が長期間に渡り出場できない事態が訪れないことを祈るばかりだ。
得点力の光るベテランMF
MF田口泰士

2023年のJ2ベストイレブンにも選ばれたMF田口泰士は、今季得点面での関与が目立つ。昨季のゲームメイカー的な立ち回りに比べて、ゴール前に飛び出していくプレーが増えた田口。ヘディングやフリックなど、多彩なシュートパターンでゴールへの直接的な関与が増えている今シーズンはここまで6得点を記録している。
33歳にして、新たなプレースタイルを築き始めている背番号4だが、同時にチームを引っ張っていく年長者としての役割も強くなっている。
これから佳境を迎えるJ2において、チーム全体にもプレッシャーがかかると予想されるなか、若いチームを鼓舞することが求められる。プレー面だけではなく、田口がメンタル面でもキャプテンとしての役目を果たせるか。背番号4の存在が今後のカギを握る。
チーム内得点王がJ1復帰へ導く
FW小森飛絢

2023シーズンでブレイクを果たしたルーキーFW小森飛絢は、今シーズンは10番を背負って千葉の攻撃をけん引する。多彩なゴールパターンと組み立てにも参加できる能力の高さは、今季でより磨きがかかった部分だ。またオフザボールの動きも特徴的で、試合中に何度も見せる背後への動き出しとプレッシングは数字には表れづらいが、チームへの貢献となっている。
ここまで10得点(得点ランキング3位)を記録しており、得点王にも期待のかかるシーズンを送っている小森。しかし直近6試合はゴールから遠のいているほか、1試合における複数得点がないことも課題である。
爆発する試合もある千葉の攻撃陣だが、その反面まったく攻撃が活性化しない試合も少なくない。残りの試合に勢いを持って臨むためにも、チーム内得点王の一刻も早いゴールが必要だ。
千葉は8月17日(土、第27節)にホームのフクダ電子アリーナでいわき(現7位)と対戦する。
まずはPO圏内浮上に向けて負けられない一戦。ここで紹介した選手の活躍に注目しながらも、千葉が総力戦でどんなサッカーを展開するのか注目だ。