中国メディアの鳳凰網はこのほど、新エネルギー自動車用バッテリーのリサイクルに関する問題について、政策や法令により、回収経路や処分方法の管理、規制、監督を通じて、産業発展の健全化を図るよう提言する記事を掲載した。
記事は初めに、新エネ車用バッテリーのリサイクルに関する現状を紹介した。
一方、バッテリーを回収する企業の数について、4月までに中国工業情報化部が公示している条件に適合した正規の回収業者は156社だが、企業情報を検索できるアプリ「企査査」では12万社が検索でヒットするという。資格のない「ブラック工場」には、住宅街に隠れて営業し、爆発の危険性が非常に高い老朽化したバッテリーのセルを処理している所があるという。また、動画プラットフォームで「リチウム電池の分解組立コース」を198元(約4000円)で教えると販売しているチャンネルもあるという。
次に記事は、現状に至った理由を分析した。ブラック工場が増えたことについては、「新コロナ流行中にニッケル、クロムなどの貴金属価格が一気に上昇し、特にリチウム鉱石は価格が500~600%急騰したため、多くの非正規企業や小作業場が参入して高利益を上げた。その後、中国国内のリチウム鉱山の採掘規模の拡大により、リチウムの価格が世界的に下落し、収益が低下した。非正規の業者には損失を最小限に抑えることが容易だが、正規の業者にはそれが難しい」と述べた。
問題の解決策について、張氏は「リチウム鉱石の価格変動で業界全体が大きく影響されたり、新エネルギー車が一般家庭に普及し始めるようになってまだ10年余りしか経過しておらず、まだ新興の業界に属している。業界の発展が始まったばかりの頃には必ず困難な時期がある。企業が投資を行うとコストの回収が困難で、サイクルが非常に長くなる。この間を国や地方政府が支援し、政策を導入する必要がある」と論じた。
記事は最後に、この問題への政府の取り組み方について三つ紹介した。一つ目は、4月8日に国家発展改革委員会が発表した「エネルギー効率向上と炭素排出削減のための中央予算投資専門管理方法に関する通知」で、新エネルギー車のバッテリー分解とリサイクルも含めた新エネルギー分野の一連の政策を提案し、実際に成都、深セン、福建などの地域でバッテリー回収に対する専門的な補助金や支援政策が導入されたという。二つ目は、23年末に工業情報化部が発表した「新エネルギー自動車動力バッテリーの総合利用管理方法(意見募集稿)」で、この文書内には「研究開発段階からバッテリーにIDを付与し、追跡可能にすること」や「製造段階でバッテリーの詳細情報を記録し、販売段階では車両所有者にバッテリーの回収義務と処理要件を通知すること」などの全面的な規制が明記されており、まだ意見募集段階ながら、回収業界の整備と規制開始の合図とも解釈できるという。三つ目は、今年工業情報化部が発表した「新エネルギー車の動力バッテリー総合利用企業の申請一時停止」の通達で、ホワイトリストに載っている正規企業の資格が向上し、非正規の企業が無計画な回収や処分を行わないよう警告することが目的だという。
以上の三つの取り組みについて、胡氏は「75%の非正規と25%の正規の数字を比較した時、最も有効なのは、非正規経路の動力バッテリーの回収を削減または排除する規制をかけることだ。