2025年8月29日、観察者網は7年ぶりとなるインド・モディ首相の中国訪問を巡り両国関係改善に向けた動きを期待する声が出る中、そのスケジューリングから「慎重に対処すべき」とする有識者の意見を伝えた。
記事が紹介したのは、華東師範大学社会主義歴史・文献研究院の姚遠梅(ヤオ・ユエンメイ)副教授の意見。
まず、ロシアのプーチン大統領などが6月時点で早々に首脳会議への出席を表明したのに対し、モディ首相は直前になって正式な出席回答を行った点を挙げた。モディ首相出席が報じられたタイミングは8月6日にトランプ大統領がインド製品に25%の追加関税を課し、関税を50%に引き上げる発表を行った直後だったとし、モディ首相が米国の圧力に対処するために今回の訪中を利用する意図があることを示唆するものだと論じた。
次に、公式発表のタイミングがさらに遅れたことを挙げた。6日にモディ首相出席の報道が一斉に流れた一方で、インド政府が正式に認めたのは約2週間後の19日になってのことだったと指摘。これは中国の王毅(ワン・イー)外相が18~20日にインドを訪れ、モディ首相やドバル国家安全保障顧問、ジャイシャンカル外相と会談したタイミングと重なるとし、出席回答を巡ってインドが非常に慎重な姿勢を崩さなかったことがうかがえると分析した。
さらに、モディ首相が訪中前の29~30日に日本を訪れ、日印首脳会談を行うことにも言及。同会談では両国の「特別な戦略的かつグローバルなパートナーシップ」が確認される見込みであることを伝えた。また、9月3日に北京で行われる戦勝80周年軍事パレードに参加しないことも指摘し、中国国内からはインドが日本との間で何らかの「暗黙の了解」を持っているのではないかという疑念も出ているとした。
姚氏は、モディ首相が前回訪中した18年以降に中印両国がカシミール地域の国境問題で対立を激化させ、20年には国境での衝突に発展したと紹介。7年ぶりとなるモディ首相の訪中によって両国の関係が改善に向かうことへの期待が高まる可能性があるものの、その背後にはさまざまな戦略的な思惑が渦巻いているため「過度な期待はせず、理性を保って見るべきだ」と提言した。(編集・翻訳/川尻)