2025年9月17日、中国メディアの新民晩報は、「四川省の峨眉山でサルと人間の戦争が始まった」としてネット上で拡散した動画について、当局がデマであると結論づけたことを報じた。

記事によると、ネット上で近ごろ「峨眉山でサルが観光客を崖から突き落とし、撃ち殺された」といった内容の「人間とサルの戦争」と題する動画が拡散する中、峨眉山景区管理委員会と現地警察が正式にデマであると発表した。

警察が動画をフレーム単位で調査した結果、動画には11カ所のデマが含まれており、複数の異なる場所の映像をつなぎ合わせ、AIによる合成の痕跡が顕著であったことが分かったという。このデマ映像の拡散を巡ってはすでに複数の人物が警察から法的な処分を受けており、処罰を受けた者は過ちを認め、謝罪文や謝罪動画を公開しているという。

また、「人間とサルの戦争」に関するデマ動画の拡散は今回が初めてではなく、21年には「猿の王が撃ち殺された」といううわさから始まり、その後「女性観光客にわいせつ行為をした」などの別のうわさと結びつけられ、さまざまなバージョンのデマ動画が作られ、拡散してきたという。

「峨眉山で人VSサルのバトル勃発」動画拡散も当局がデマ認定、複数人が処罰―中国

記事は、この騒動の本質について警察が、一部の人間がアクセス数を稼ぐために「墜落崖」「撃ち殺す」といったセンセーショナルな言葉で恐怖をあおったことにあると指摘するとともに、AI技術によって映像のつなぎ合わせや偽造が容易になっており、市民はより慎重な態度で情報に接する必要があると警鐘を鳴らしたことを伝えた。

警察はさらに、デマを捏造(ねつぞう)・拡散した場合、民事、行政、刑事の三つの責任を問われる可能性があることに触れつつ、デマを見分ける方法として、情報源が信頼できるか確認する、内容が常識や客観的事実に合っているか確認する、警察のサイバーセキュリティー部門や公式なデマ検証プラットフォームの情報に注目するといった点を挙げて注意を呼び掛けた。(編集・翻訳/川尻)

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