中国東部江蘇省南京市にある南京市児童医院は9月24日、年齢5歳、体重13キロの終末期心不全患児に対する第3世代磁気浮上両心室人工心臓の埋め込み手術に成功したと発表しました。この手術は世界の同種手術における最低年齢、最低体重の記録を更新しました。

手術は9時間にわたり、南京市児童医院名誉院長でもある心臓センター主任の莫緒明チームと天津泰達国際心血管病医院院長の劉暁程チームが共同で完了したものです。狭い胸腔内の器具の空間配置、左右心血流のバランスなどの難題を克服しました。術後1週間で、患児は正常に食事を取ることと短距離歩行ができるようになりました。

子どもの心不全は医学界が長期にわたり直面してきた難題です。終末期心不全患児に対しては、心臓移植のほか、「人工心臓」と呼ばれる「埋め込み型心室補助装置」が重要な治療手段となります。

南京市児童医院は天津泰達国際心血管病医院、補助人工心臓(VAD)の研究開発に従事する航天泰心科技と共同で、患児の画像データに基づいて胸腔モデルを等比縮尺で3Dプリントし、第3世代磁気浮上人工心臓技術により、低年齢患児に適した埋め込み型人工心臓を開発しました。この小児型磁気浮上心室補助装置は、単体ポンプの重さがわずか70グラムほどで、低溶血リスク、高適合性の特徴があり、血流バランスの難題を解決するだけでなく、血栓リスクを下げ、低年齢・低体重の患児への適合性を大幅に高めることができるとのことです。(提供/CRI)

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