2025年9月26日、韓国各地で中国の国慶節連休に合わせて訪韓する中国人観光客を見込んだ準備が進んでいる。中国メディアの中華網が伝えた。

韓国政府は25年9月29日から26年6月30日まで、3人以上の中国人団体観光客を対象とした最長15日のビザ免除入国を試験的に実施する。韓国各地の観光関係各所では、10月初旬の国慶節連休に合わせて訪韓する中国人観光客を迎える準備を急ピッチで進めている。以前のビザ免除政策が済州島のみに制限されていたのとは違い、今回は韓国内ならどこでも免除になる。韓国文化体育観光部は今回の政策で約100万人の新規客が増えると予測している。

韓国観光公社の通達を受け、韓国各地で中国語の案内やスタッフの訓練、電子マネーによるサービスの利便化を進めているほか、免税店頼みで低価格の商品を買いに来る顧客をターゲットにしていた方針を一変し、高価格で付加価値がある商品やサービスの提供に重点を置き、ロッテや新世界のような大型百貨店もハイエンドなブランド商品の陳列ブースやエリアを拡大している。

韓国銀行の予測によると、今回の政策で新規客が約100万人増、経済効果は10億ドル(約1500億円)とされ、GDPを0.2%押し上げるという。韓国税関の統計によると、中国人観光客の経済消費力は他の外国からの観光客の3倍以上に相当する。訪韓する中国人観光客はコロナ前の16年の800万人をピークに減少の一途だったが、今回のビザ免除政策下で初めて迎える国慶節連休の消費力に期待は大きい。ソウルの明洞や弘大などの人気スポットの宿泊施設は予約で8割以上埋まっており、済州島の海辺のリゾートは利用価格が3割高騰している。仁川空港や金浦空港などの主要な入国地点には混雑解消のための団体客専用通路を設けているという。

記事は最後に「今回のビザ免除政策は単なる観光の利便化だけでなく、国家の経済戦略上でも重要な一手となる。国慶節と中秋節が近づくにつれ、韓国が再び中国人観光客を引き寄せ、観光業界のトランスフォームとアップデートを実現できるかは、冷え切った中韓両国の関係の雪解け具合を見る重要な試金石となるだろう」と論じた。

(翻訳・編集/原邦之)

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