馬英九中華民国(台湾)元総統や中国国民党の洪秀柱元主席(党首)は15日、フェイスブックを通じて、高市首相が国会答弁で、台湾有事は日本が集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」になり得ると発言したことを強く批判する文章を発表した。
馬元総統は投稿した文章で、高市首相の発言を「躁進」すなわち「軽率に前に進む」と形容し、大陸側の強烈な反応を引き起こしたことについて「私は深く憂慮し、多少の発言をせねばならない」と表明した。
馬元総統はさらに、「高市首相が台湾海峡関連に積極的に介入する態度が、日本での右翼軍国主義の復活を連想させることは避けられない」として、今年は対日抗戦勝利および台湾の光復(中国復帰)80周年だと論じた上で、「当時の中華民族が日本の侵略によって受けた痛みはまだ癒えていない。この敏感な時期に、高市首相が台湾海峡問題への武力介入を暗示する言論を発表したことは、大陸内部の感情をさらに刺激するものであり、極めて愚かだった。また、台湾海峡の平和と安定を望む台湾人の利益に打撃を与えるものだった」と論じた。
馬元総統は、高市首相が言及した「集団的自衛権」についても「概念を誤って使った」と評して、「いわゆる日本の『存亡危機事態』については、日米安保条約の枠組みの下で、米国とまず協議しなければならない。高市首相が米国側と意思疎通をしていなかったことは明らかだ。そのため米国は、彼女の今回の発言を支持せず、米国国務省が一方的な現状変更に反対することを再確認しただけだった」と指摘した。
馬元総統はさらに、「対日抗戦勝利および台湾光復80周年の時期においては特に、日本の指導者はなおさら慎重に言動を行うべきだ」と改めて論じ、高市首相の台湾関連発言が「節目の年」に行われたことを問題視し、「私は台湾と日本が友好関係を維持することを支持するが、日本政府が『躁進』的な言動を行い、台湾を危険に陥れることは歓迎しない。それは絶対に台湾民衆が望むことではない」と主張した。
国民党の洪秀柱元主席は「台湾海峡のことに、日本人と何の関係があるのだ」を見出しとするフェイスブックへの投稿で、「このような発言は挑発であるだけでなく、台湾を危険の縁に追いやり、日本軍国主義の余毒が未だ除かれていない本質を完全に露呈するものだ。まるで核汚染水を排出するのと同じ心態であり、完全に隣国を犠牲にするものだ」と高市首相を厳しく批判した。
洪元主席はさらに「我々ははっきり言わねばならない。台湾はもはや日本の植民地ではない」「あなたたちはかつて、台湾人に対して50年にわたり植民、圧迫、虐殺を行った。
洪元主席は石破前首相による「歴代日本政府は一貫して『台湾海峡に状況があれば、日本はどう行動するか』と予め設定することを避けてきました。なぜならそれは一線を越え、緊張を高める危険な一歩だからです」との発言を紹介し、「日本のあるべき立場を語った」と評価した。
一方で高市首相については「完全に逆の道を行き、国会で米軍介入、武力攻撃、集団的自衛権などの状況を妄言し、まるで日本がいつでも台湾海峡情勢に武力で踏み込む準備をしているかのように表現した。このような突進的で米国に必ず迎合する言動により、その政治的計算を完全に露呈した。台湾を駆け引きの道具にし、米国に媚び、日本の軍事的役割を拡大しようとしているのだ」と酷評した。
洪元主席はさらに、「台湾は駒ではない。ましてや日本が再び手を染める舞台ではない」「歴史の誤りについて日本は未だ明確に説明していない。台湾海峡問題で裁判官のふりをする資格はない」と表明した。(翻訳・編集/如月隼人)











