2026年の中国ネット通販の上半期最大セール「618」商戦が始まりました。十余年を経て中国のビジネス環境は変化し、今年は多くの出店者やプラットフォームが単なる低価格競争からブランド構築重視へと戦略を調整しています。

出店者側には変化が見られます。競争の激しい加工食品などの分野では、過度な価格競争から脱却し、健康志向や時短ニーズに応える新製品開発に注力するメーカーが増えています。あるブランドの責任者は、今年の618期間中の予想売上高は例年並みでも、利益率は15%以上上昇すると見込んでおり、企業は低価格ではなく品質に回帰する必要があると指摘しました。

プラットフォーム側の販促補助金も縮小傾向にあります。例えば、単価の高い白酒では、昨年は一部ECサイトが1本当たり200元(約4700円)の補助金を投入していましたが、今年は大半が100元(約2300円)未満にとどまっています。絶対的な低価格というスローガンは影を潜め、代わりにルールの簡素化や出店者支援、会員運営の強化へと転換し始めています。同時に、新商品の先行発売やAI技術などに投資し、ユーザーの定着率と取引の質を高めることに注力しています。

専門家によりますと、出店者が過度な価格競争を放棄した背景には、利益の圧迫や値下げによる販促効果の減退があります。高騰する集客コストや返品率により、値下げで販売量を稼ぐモデルの維持が困難となり、利益確保や在庫管理を重視する持続可能な経営戦略への転換を余儀なくされています。

また、政府部門が持続可能なビジネス環境の実現を求めていることも影響しています。北京市市場監督管理局は5月下旬、主要プラットフォーム企業17社に対し、618期間中に非合理的な多額の補助金による販促活動を行わないよう指導しました。

一方で、618が依然として取引額を牽引する重要な節目であることに変わりはありません。

今年の商戦では、京東(JD.com)のような従来型ECで出店者数が前年比62%以上増加し、そのうち51の新規出店者が開始からわずか4時間で1000万元(約2億円)の取引額を突破しました。抖音(Douyin)などのソーシャル系ECでも、第1段階の6日間で取引額が1億元(約24億円)を超えた出店者が前年比325%増加したほか、ライブコマースによる売上高も前年比5倍に拡大するなど、確かな活況を見せています。

「618」は現在、単に流通取引総額(GMV)の爆発的な増加を追求するセールから進化しています。業界全体が参加し、売上増だけでなく、ブランド構築、ユーザー維持、経営の質の向上、新技術のテストなどを兼ね備えた総合的な販売イベントへと変貌を遂げています。(提供/CGTN Japanese)

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