中国メディアの観察者網は20日、「『中国離れ』は持ちこたえられるのか?日本が格安旅行先に成り下がる」と題する記事を掲載した。
日本政府観光局(JNTO)が19日に発表した7月の訪日外国人客数(推計値)は前年同月比0.1%増の344万2100人だった。
しかし観察者網の記事は、「日本の政府や民間による『中国離れでも観光業は維持できる』との主張はますます説得力を失っている」と主張。「今年上半期の訪日外国人客数が前年同期比2.0%減となったのに続き、1~7月の訪日外国人客数は同1.7%減少した。この傾向が続けば、2026年通年の訪日外国人客数は前年を下回り、5年ぶりに減少する可能性がある」と強調した。
そして、「野村総合研究所の試算では、中国人観光客の低迷が続いた場合、日本は26年通年で1兆7900億~2兆2000億円の損失を被り、GDP成長率を約0.36ポイント押し下げるとされている。これは、年間の経済成長分の約4割がほぼ帳消しになる計算だ」と指摘。「こうした中で、日本の一部学者やメディアは強気の姿勢を崩しておらず、欧米や韓国からの観光客が穴を埋めていると主張しているが、果たして本当にそうなのだろうか?」と疑問を投げ掛けた。
同記事は、「表面的に見れば、欧米や韓国からの訪日客の増加が、中国人観光客の減少による影響を一部相殺している。しかし、単純にそう計算できるわけではない」と主張。第1として、「もし代替市場が本当に『完璧な穴埋め』を実現できているのであれば、訪日外国人総数がこれほど継続的に減少するはずはない」とし、「中国以外の市場の伸びでは、中国人観光客が減少するスピードに到底追いついていないのが実情だ」と強弁した。
第2に、「問題の核心は『人が来たかどうか』ではなく、『金を使ったかどうか』にある」とし、「財務省が7月8日に発表した5月の国際収支によると、訪日客急減の影響を受け、日本のサービス収支は25年5月の1309億円の黒字から一転し、26年5月には103億円の赤字となった。
なお、同記事は触れていないが、訪日外国人全体の旅行消費額でみると、26年1~3月は2兆3373億円で前年同期比2.5%増。4~6月は2兆5096億円で0.2%増と、中国人観光客が大幅に減少しているにもかかわらず逆に増加している。
第3に、「日本側の政策も逆方向に負担を強めている」とし、訪日客のビザ発給手数料を値上げしたこと、京都などで宿泊税が引き上げられたこと、一部の観光地で「二重価格」を導入するなど「差別化された対応」がみられることを指摘。「さらに、中東情勢の悪化によって燃油サーチャージが上昇し、遠距離からの訪日意欲が低下しており、『欧米客で中国人客を補う』という考え方には少なからぬ障壁がある」とした。
同記事は、遼寧大学日本研究センター客員研究員の陳洋(チェン・ヤン)氏の見方として、「短期的には、日本は他の市場によって中国からの観光客の減少による人数の不足分をある程度埋められる可能性がある。しかし、中国からの観光客がもたらしていた規模、消費水準、産業チェーンへの波及効果は、他の市場が同じ水準で再現できるものではない。日本が長期的に中国市場への依存を弱められるという現実的な根拠は、ますます薄弱になっている」と伝えた。
また、「中国からの観光客はかつて、日本の地方観光の回復を促す重要な支点となっていた。『韓国から何人増えた、欧米から何人増えた』といった数字だけを用いて『中国から何人減った』という数字を単純に相殺しようとしても、参考になる部分は限られる。市場によって、滞在期間、移動手段、買い物の好み、訪問先、1人当たりの支出額などに大きな違いがあるからだ。言い換えれば、観光客数の不足分は複数の市場からの増加によって部分的に補うことができても、消費構造や産業チェーンへの貢献を同じ規模で置き換えるのは難しいのである」と主張した。
さらに、「円安が本来、訪日観光にとって追い風となる好機であるはずなのに、ドルやユーロを持つ観光客にとっては、むしろ『より安い価格で高級な体験を手に入れられる』という意味合いが強く、日本の観光産業そのものの競争力が高まったことを意味するわけではない」と言及。「最大の単一高消費市場(中国)からの観光客が継続的に減少する一方、代替市場も規模、1人当たりの消費額、リピーターの面で同等の役割を担うことが難しい状況において、『中国に依存する必要はない』という主張は損失に向き合いたくないための自らを慰める言葉に過ぎない」と強弁した。
同記事は、日本のネットユーザーの声として、「日本は世界的に格安の旅行先になりつつある」「中国人観光客はほとんど街から姿を消したが、正直、白人のマナーのほうが悪い」「日本のメディアはこれまで、いつも中国人観光客の問題点ばかり探し、他国の観光客による迷惑行為には見て見ぬふりをしてきた。そのため、私たちは間違った結論を出してしまったのだ」などを取り上げて紹介し、「中国人観光客の存在感」をことさらに強調した。(翻訳・編集/北田)











