英紙フィナンシャル・タイムズが「日本で重要なレアアース金属の供給があと数カ月で底をつく可能性がある」と報じたことが、中国のSNS上で注目を集めた。

フィナンシャル・タイムズは事情に詳しい関係者の話として、「日本ではイットリウムが数カ月以内に底をつく恐れがあり、日本政府は米政府に対し、中国に日本への輸出規制を緩和するよう働きかけてほしいと要請した」と伝えた。

同記事は、「イットリウムは耐熱性の高い金属で、自動車やジェットエンジン、半導体の製造に不可欠だ」と説明し、「米国の防衛産業のサプライチェーンは、イットリウムを含む部品の多くを日本で製造している」と伝えた。

その上で、日本政府関係者や商社幹部の話として、「中国が方針を転換するか、西側諸国の同盟国が代替供給源を確保するか、備蓄を積み増さない限り、早ければ今年末にも供給不足が発生する可能性がある」「レアアースの使用量を抑える取り組みにも限界がある。この問題を放置すれば世界経済全体に及ぶリスクに発展する」と伝えた。

記事は、先月の米中首脳会談に先立って行われた日米の経済当局者の会議において、日本側から事態の深刻さの説明があり、供給不足の影響を受けている米企業にも米政府に働きかけを行うよう求めたとし、「米国側から中国側に懸念を伝えてもらうことが狙いだった」としている。

中国のSNS・微博(ウェイボー)で120万超のフォロワーを持つブロガーは、この記事を紹介し「なぜまだ数カ月分もあるんだ?備蓄はどれだけ多いんだ」と投稿。中国のネットユーザーからは「本当だ。なぜ数カ月もかかる」「全く同意。日本はどれだけため込んでるんだ。つまり、以前は供給し過ぎてたってことだ」「大規模な密輸が行われているようだ」「主に密輸だろう。中国から、あるいは第3国経由で流れている」「こっそり(日本に)売ってる売国奴がいるのではないか」「内部に裏切り者が多すぎる」といった声が上がった。

また、「調査会社アーガスの評価によると、中国以外の地域における酸化イットリウムの価格は1キログラム当たり1150ドルに急騰し、2年前の179倍に達した。一方、中国国内の価格は1キログラム当たり9ドルだ。

これだけの価格差があれば、危険を冒して密輸しようとする者は現れるさ」とのコメントも多くの賛同を集めた。

なお、中国外交部の毛寧(マオ・ニン)報道官は21日の会見でこの問題について聞かれ、「中国が法令に基づき日本に対して輸出規制を実施しているのは、日本の『再軍事化』と核兵器保有の企てを阻止することが目的。中国の重要鉱物の世界的なサプライチェーンの安定と安全を維持するという立場に変わりはなく、各方面にはそのために建設的な役割を果たす責任がある」と述べた。(翻訳・編集/北田)

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