ジョーダン・ラカイが実践したセルフケア 音楽家が「心の闇」を乗り越えるための制作論

ジョーダン・ラカイが実践したセルフケア 音楽家が「心の闇」を乗り越えるための制作論
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ジョーダン・ラカイの最新作『What We Call Life』は、これまでの作風からガラリと変わっている。端的に言って異色作だが、おそらく彼の評価をさらに引き上げることになるだろう。

『What We Call Life』のテーマは、セラピーで得たものをシェアすること。ここには彼のトラウマや、人種的な葛藤などについて吐露するような歌詞もある。つまり、本作はメンタルヘルスやセルフケアといったことがテーマだとも言える。そこまでなら似たようなコンセプトの作品は少なくないだろうが、そのコンセプトと音楽の制作プロセスや表現手法が強く結びついているところが、本作を唯一無二たらしめている。

トム・ミッシュ、ロイル・カーナー、コモンとのコラボでも知られるジョーダン・ラカイは、2015年にロンドンへ移住。翌年にNinja Tuneと契約し、世界的アーティストとして頭角を現していった。そんな彼が、ここでは過去の成功体験を一旦忘れて、完全に今までと異なる制作手法を用いている。そうして生まれたサウンドや歌詞の深みからは、『Cloak』『Wallflower』『Origin』の過去3作を経て、アーティストとして成熟したことがうかがえる。それに何より、作品からにじみ出ている人間としての成熟みたいなものが、このアルバムを特別なものにしているように思う。

自身の経験をさらけ出し、これまでとは異なるスキルが求められる歌にチャレンジし、その音楽のかなりの部分を共作者たちに委ねた。自分と向き合い、自分を認めながら、自分のエゴを捨て去った。ミュージシャンとしても、ひとりの人間としても大きく成長したジョーダン。キャリアの第2章が始まった。

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