中国では事業に成功した人は多くの人から尊敬され、その成功の軌跡や秘訣を記した本は人気が高い。このため、阿里巴巴(アリババ)集団の創業者であるジャック・マー氏や、アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏の著した本はベストセラーとなり、ビジネス書の多くはこうした成功者の本で占められている。
しかし、この点で日本は傾向がやや異なると言えるようだ。中国メディアの捜狐はこのほど、「日本企業はなぜ失敗の研究に熱中するのか」と題する記事を掲載した。日本では成功に関するノウハウだけでなく、多くの人が「失敗の事例」についても研究していると伝えている。
記事はまず、日本で出版されている書籍には、企業経営者や創業者などが語る「失敗談」が少なくないと紹介した。自身や企業の失敗を語ることで、後の世代に対する教訓としていると説明している。そして、「失敗学」を研究することは日本全体に見られる社会的な雰囲気となっており、特に企業の管理職の間で高く評価されているという。
では、なぜ日本人は失敗学を高く評価するのだろうか。記事は、「同じ失敗は繰り返さない」と固く決意しているからだと分析した。そのためには真摯な反省が必要で、失敗を研究することで再発防止の改善策を見いだせると説明した。
それで記事は、日本こそ「失敗は成功のもと」の真髄を悟ったのかもしれないとの見方を示した。実際、多くの中国人が尊敬するジャック・マー氏やジョブズ氏も、大きな成功を収める過程で失敗もしている。サクセスストーリーばかりでなく、失敗から教訓を学んで次に生かすことも重要だと言えるだろう。