高齢化が急激に進んでいる中国では、2020年に65歳以上の人口が1億9000万人に達したそうだ。日本はすでに高齢者の人口が約3割を占めているが、中国もこのままいけば2025年までには同程度になると予測されている。


 しかし同じ高齢化社会でも「日本と中国の高齢者の生活ぶりは全然違う」という。中国メディアの快資訊は10月30日、「街を見るだけで、日中の高齢者の退職後の生活の違いが分かる」と題する記事を掲載した。

 記事はまず、日本旅行に行くと観光地やバス停で見かける白髪の高齢者が、皆きびきびとしていて「忙しそうにバスに乗り込んでいる」と伝えている。「日本人の生活は非常に目まぐるしい」と感じているそうだ。

 また、日本ではホテルや店で高齢者が働いていることにも驚くそうで、「高齢化と労働力不足が顕著な日本では、70歳になってようやく退職できる」と伝えている。確かに日本政府の掲げる一億総活躍社会は、高齢者にも働いてもらうという考えだ。
記事の中国人筆者は、中国の退職年齢は男性が60歳であることと比較し、日本人は気の毒だと感じているようだ。2021年の時点で、中国では女性の退職年齢は50歳(幹部は55歳)と定められている。

 日本人からすれば、50歳や60歳と言えば退職には早すぎる気がするが、それほど早く退職して中国人は何をしているのだろうか。記事は「子どもと同居して孫の面倒を見て、時間があれば広場ダンスを踊ったり団体で旅行に行ったりする」のがごく普通の退職後の生活だと紹介した。

 中国は一人っ子政策を実施していたため、今後は高齢化が急速に進むことになる。そうなれば退職後の生活も変わることになると思われ、政府も数十年据え置きになっていた「退職年齢」を引き上げる考えを示している。
しかし中国人の間からは不満が噴出していると報じられており、中国人にとっては「忙しく働く」日本のような老後より、早く退職して「孫の面倒を見て、広場ダンスを踊って、旅行に行く」日々のほうが夢があるのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)