東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の約5000個のメダルは、全国各地から集めた小型家電・リサイクル金属で作られた。都市鉱山が金属資源の潜在的な宝庫であることを示したと言えるが、中国メディアの澎拜新聞はこのほど、日本の家電リサイクルの歴史について紹介する記事を掲載した。
記事は、今日の日本はリサイクル大国であると同時に「都市鉱山」大国として知られるようになったが、昔からそうだったわけではないことを強調している。たとえば1980年代頃までは、廃棄家電から一部の金属を取り外す程度で、ほとんどが埋め立てられていたと紹介した。しかし、処分場がいっぱいになったことや、電子製品の増加に伴い環境汚染に対する懸念の声が高まり、90年代の終わりころから「家電リサイクル法」などの関連法案が次々と制定され、最大限リサイクルする取り組みが始まったと伝えた。
「家電リサイクル法」では、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機の4品目の家電についてリサイクルを義務化し、有料で回収することになったが、「2020年度にはエアコンの再商品化率が92%に達したほどだ」と、その成果を強調した。
また、2013年には小型家電リサイクル法が施行され、パソコンや携帯電話、電子レンジなどの28品目の小型家電もリサイクルするようになったと紹介した。2019年の時点で再資源化事業の認定業者は53社を数え、2018年度末の時点で9割以上の市町村が小型家電回収に取り組み、2000以上の家電量販店で小型家電回収を実施した結果、約10万トンの小型家電が回収され、4.5万トンの金属を回収できたという。
中国でも、2011年から中国版家電リサイクル法と言われる法律が施行されたが、旧家電回収の多くを個人業者が担っており、その処理方法や技術には問題が多く、適切ではない方法で回収するがゆえに逆に環境問題を引き起こしているとも言われる。この点で日本の例は大いに参考になるに違いない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)