16日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比50.31ポイント(1.65%)安の3007.07ポイントと反落した。約2週ぶりの安値水準に落ち込んでいる。

 中国景気の先行き不安が強まる流れ。取引時間中に公表された中国経済統計では、今年1~3月期GDP成長率が5.3%に拡大し、予想(4.3%)を上回ったものの、3月の小売売上高や鉱工業生産が予想を大幅に下回っている。不動産関連の統計も前年割れが続いた。先行して発表された3月の金融と貿易の統計も下振れし、足元の景気鈍化を示唆している。人民元安にも警戒感が漂った。米中金利差の拡大が警戒される中、上海外国為替市場では、対米ドルの人民元安が進行している。
中国人民銀行(中央銀行)は朝方、人民元レートの対米ドル基準値を約1カ月ぶりの元安水準に設定。市場では、当局は元安を容認しているとの声も聞かれている。(亜州リサーチ編集部)
 業種別では、不動産の下げが目立つ。臥龍地産(600173/SH)がストップ(10.0%)安、京能置業(600791/SH)が8.1%安、華夏幸福基業(600340/SH)が3.2%安、信達地産(600657/SH)が3.0%安で引けた。業績に対する懸念が強まっている。1~3月の不動産開発投資は前年同期比で9.5%落ち込み、減少率は1~2月の9.0%から拡大した。

 ハイテク株も急落。コンデンサー関連材料の安徽銅峰電子(600237/SH)と液晶パネルメーカーの南京中電熊猫信息産業集団(600775/SH)がそろってストップ(10.0%)安、スマートシティ関連の雲賽智聯(600602/SH)が7.5%、ディスプレー部品の彩虹顕示器件(600707/SH)が7.0%、フラッシュメモリー中国大手の北京兆易創新科技(603986/SH)が5.9%で取引を終えている。消費関連株、素材株、インフラ関連株、公益株、運輸株なども売られた。
 半面、エネルギー株の一角は物色される。中海油能源発展(600968/SH)ストップ(10.0%)高し、中国石油天然気(601857/SH)が2.2%高、中国神華能源(601088/SH)が1.6%高と値を上げた。原油相場の先高観が支え。
イランとイスラエルの紛争拡大が警戒される中、状況次第では原油上昇が進むと予想されている。そのほか、銀行株の一角も買われた。大手行に関しては、「国家隊」と呼ばれる中国の政府系投資会社、中央匯金投資有限責任公司が4月12日までに、主要4行のA株保有を大幅に増やしたことが伝えられている。
 外貨建てB株相場は、上海B株指数が4.95ポイント(1.93%)安の252.12ポイント、深センB株指数が14.12ポイント(1.31%)安の1062.41ポイントで終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)