米株高が相場を支える流れ。昨夜の米株市場では、米経済のソフトランディング(軟着陸)期待が高まる中、主要指標のNYダウが前日比1.9%高と大幅に5日続伸し、連日で史上最高値を更新した。米連邦準備理事会(FRB)は9月にも利下げを開始するとの見方が支配的となり、米10年債利回りも低下している。金融政策で米国に追随する香港でも、域内金利の低下が期待された。ただ、上値は限定的。資源相場の軟調が重し。昨夜のNY商品市場では、中国経済の減速で原油需要が伸び悩むとの見方で、WTI原油先物が1.4%安と3日続落した。ロンドン金属取引所(LME)では、アルミや銅など主要産品の先物価格が下落している。様子見ムードも漂う。中期的な重要政策の方針を話し合う第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)が15~18日の日程で開催中で、最終日に今後の政策方針を盛り込んだコミュニケ(声明)が公表される予定だ。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、医療サービス企業の阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス:241/HK)が8.3%高、中国スポーツ用品大手の李寧(2331/HK)が5.4%高、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)が4.9%高と上げが目立った。
セクター別では、香港・本土の不動産が高い。
新興EV(電気自動車)の銘柄群もしっかり。蔚来集団(9866/HK)が4.7%高、小鵬汽車(9868/HK)が3.3%高、理想汽車(2015/HK)が2.6%高、浙江零ホウ科技(9863/HK)が2.3%高で前場取引を終えた。
半面、石油・石炭セクターは安い。中国海洋石油(883/HK)と中国石油天然気(857/HK)がそろって5.2%、中国石油化工(386/HK)が4.2%、中国中煤能源(1898/HK)が4.6%、エン鉱能源集団(1171/HK)が3.3%ずつ下落した。
非鉄セクターも急落。洛陽モリブデン集団(3993/HK)が7.7%安、中国アルミ(2600/HK)が6.7%安、江西銅業(358/HK)が5.6%安、中国宏橋集団(1378/HK)が4.9%安で引けた。
一方、本土マーケットは5日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.34%安の2966.22ポイントで前場の取引を終了した。エネルギー株が安い。素材株、公益株、ハイテク株、銀行株、自動車株なども売られた。半面、不動産株は高い。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)