中国の政策期待が相場を下支えする流れ。11月4~8日の日程で開催される全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会の第12回会議では、財政出動の具体的な内容が公表されると予想されている。ただ、上値も限定的。1~9月期決算の発表が本格化する中、中国企業の業績動向が気がかりだ。今週は時価総額上位のエネルギーや大手銀などの業績発表が集中する。また、中国の9月工業企業利益が前年同月比で27.1%減少し、減少率が8月の17.8%から9.3ポイント拡大したことも不安視された。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、政策期待で本土系不動産セクターの上昇が目立つ。龍湖集団HD(960/HK)が4.8%高、中国海外発展(688/HK)が4.1%高で引けた。ほか華潤ビール(291/HK)、百威亜太HD(バドワイザー・ブリューイング・カンパニーAPAC:1876/HK)が各3.0%高、中国蒙牛乳業(2319/HK)が2.8%高と消費関連株も買われた。
鉄鋼セクターも高い。重慶鋼鉄(1053/HK)が31.0%、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が9.1%、鞍鋼(347/HK)が7.2%ずつ上昇した。現地メディアによると、中国の鉄鋼業界では多数の企業が強力なパートナーとの連携やM&A(合併・買収)による再編を検討中。
半面、先週買われた太陽光発電関連が安い。太陽光発電用ガラス基板メーカーの信義光能HD(968/HK)が4.8%安、中国水発興業能源集団(750/HK)が4.5%、信義能源HD(3868/HK)が4.2%ずつ下落した。
他の個別株動向では、ピックアップトラック・SUV生産の長城汽車(2333/HK)が5.8%安。7~9月期決算の減益が失望された。
一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.68%高の3322.20ポイントで取引を終了した。不動産株が高い。素材株、医薬株、消費関連株、軍事関連株なども買われた。半面、銀行・保険株は安い。エネルギー株、公益株、ハイテク株も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)