香港へ行ったときに、HSBC香港(香港上海銀行)で口座開設にチャレンジしてきたのですが、その建物のかたちが、なんとも個性的だったのが印象的でした。個性的というと聞こえがいいですが、正直なところ、なんだかとっても奇妙に見える建物です。
まるで要塞のようなものものしい外見で、おまけにビルの屋上には大砲らしきものが見えます。まさか本物のわけはないですが、なんとも物騒な形です。 夜になって暗闇にライトアップされた姿なんて、まるでアニメに出てくるロボットみたいにも見えそう、、、
ネットなどで調べてみたところ、風水が大きく影響しているようです。香港では、建物の設計などの際に風水を大変重んじる風潮があるそうで、「企業に専属の風水師がついている」とか「風水対策費が支給される」とかいう話もあります。家のまわりで新たな建築物ができたりして、風水的に不都合が出た場合には、役所に届け出ると、再調整のための費用が支給されるそうなのですが……本当なのかしら??
そういえば、HSBC香港以外にも、香港には一風かわったビルが多いのも、デザイン性の問題というよりは、風水へのこだわりなのかもしれません。
香港の風水ねたで、なかでも有名なのが、例のHSBC香港と、その近くに建っている中国銀行との間の風水戦争。
もともと中国銀行旧館のお隣にHSBCが、あの要塞のような建物を建てたのが発端だそう。いまでは周りにどんどん高いビルが建ってしまい、目立たなくなってしまったHSBCですが、当時はあの高さでも、超高層ビルだったそうで、お隣の中国銀行は、完全に見下ろされる格好になりました。
風水的には、隣のビルが高すぎると、頭をおさえつけられた格好になってしまい、発展が阻止されてしまうそうですね。”むむ!これは、いかん!”と敏感に反応した中国銀行は、HSBCに対抗して、新たなビルを建設しました。
今度は中国銀行が、70階という、HSBCをはるかに上回る高さのビルを建設。HSBCを圧倒的な高さで押さえつけます。
風水の知識がなくても、見ているだけで、なんとなくいや~な感じ。見るものを、不安な気持ちになる形をしているのです。実際、この刃先はHSBCへ向いており、風水的には、そこから攻撃的な破壊の気をHSBCへ向けて出しているとか。
そして、なんと中国銀行の新ビルが建設された途端に、HSBCの業績が下降へ向かい、初めての赤字転落。HSBCは、その業績悪化の原因を、中国銀行の新ビルのせいで風水が悪化したせいだと考え、対抗策を打ち出します。
そこで取り付けられたのが、屋上の大砲らしきオブジェ。もちろん標的は中国銀行です。(大砲の向いてる方角は、正確には中国銀行ではないという話もありますが。) この風水対策のおかげで、HSBCは翌年から再び業績が回復したということです。
この話は、香港風水戦争について伝えられている話を、私なりにまとめたものなので、真偽のほどは分かりませんが、香港での風水の影響力の大きさを伺うことができる話として、とても興味深いものだと思いました。
でも、もしこの話が本当なら、HSBCは業績悪化の原因について、株主総会で「中国銀行の新社屋が風水的に……」みたいな説明をしたんでしょうか(笑)。まさかとは思いますが、想像すると、ちょっと笑えます。
HSBCや中国銀行は、上記以外にも、自社の発展のために、うまく土地の気を引き入れ、自分のビルに集めるための工夫を、建物のいたるところにしてあるそうです。
香港だけでなく、マカオのカジノ建設でも、ラスベガス系のカジノが進出してきたときに、ちょっとした風水戦争が話題となったりました。おそらく、マカオのカジノに、ちょっと奇抜な建物が多いのも、そのせいなのかもしれません。
さらには北京オリンピックの会場建設にも、風水が取り入れられていたという話ですし、中国の人にとっては、風水は、私たち日本人が思う以上の大きな影響力を持っているのかも……。
風水をこんなに重視するお国柄ですから、株価の動きなんかにももしかしたら私たちが知らないところで、風水が大きく影響していたりして……株式市場も人間が動かすものですからね~
中国株をやるなら、風水のことも少しは知っておいたほうがいいのかも?なんて思ってしまいました(笑) (執筆者:さますの)
【関連記事・情報】
・なげやり的中国株対決! - 公式サイト
・中国株個人投資家の香港・マカオ訪問レポート
・渡航制限と金融危機で揺れるマカオ:オンリーワンの魅力(2009/01/24)
・100年に1度の金融危機と言われた、08年に得た教訓(2009/01/10)
・相場>相場観・コラム>さますの - サーチナトピックス