9月13日に中国広東省内の路上で車にはねられ瀕死の重傷を負った2歳の女児を多くの通行人が無視した事件で、被害者の女児が現地時間21日未明に死去した。網易など多くの中国メディアが女児の死去を速報で伝えた。


 2歳の女児は13日午後、同省仏山市内の路上で車にはねられた。事故発生直後、18人の通行人が誰も女児を助けようとせず、女児は後続車にもう一度ひかれたことが現場の防犯カメラの映像で明らかになった。映像がネット上に出回ると、中国国内メディアが一斉に注目、「社会道徳の欠如」を象徴する事件として大騒動に発展した。

 瀕死の重傷を負った女児はその後市民に救助され、病院に搬送されたが容体は次第に悪化。生死の境をさまよい続ける状況が1週間ほど続いた。女児を救うべく全国から募金が続々と寄せられたが、21日午前0時32分に息を引き取った。

 記事は「天国の『冷淡』のない世界での暮らしは、これまでより幸せで楽しいことだろう。我々はあなたの名前を忘れない」と社会の冷淡さに対する皮肉を交じえつつ、女児に冥福を祈るメッセージを送った。(編集担当:柳川俊之)

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