報告書は、中国海軍は潜水艦部隊の現代化に向けた改良を優先的に力を入れているとした。中国は現在、晋級(094型)原子力潜水艦の製造を進めており、すでに3隻が完成している。中国が次世代の096型原子力潜水艦の製造を開始する今後10年間に、多ければ5隻の094型原子力潜水艦が海軍に就役する。
晋級原子力潜水艦はJL-2潜水艦発射型弾道ミサイルを搭載すると見られ、弾道ミサイルの射程距離は4000カイリ以上に達する見通しだ。晋級原子力潜水艦とJL-2潜水艦発射型弾道ミサイルは、中国海軍の海上配備型の核抑止力となる。
中国はまた、攻撃型原子力潜水艦の戦闘力の増強に絶えず力を入れている。現在、すでに2隻の商級(093型)攻撃型原子力潜水艦が就役しているほか、中国は改良型の商級攻撃型原子力潜水艦4隻を建造中であり、老朽化した漢級(091型)原子力潜水艦に取って代わると見られる。
今後10年で、中国が095型弾道ミサイル搭載原子力潜水艦を建造する可能性は高く、これによって中国人民解放軍は潜水艦の対陸上の攻撃力を有する。より優れたノイズキャンセリング技術を導入したほか、魚雷を搭載した095型弾道ミサイル搭載原子力潜水艦は、従来の対艦攻撃の役割も果たす。
報告書によると、中国海軍はより多くの洋上および遠距離攻撃任務を行うことのできる多用途プラットフォームの発展に取り組んでいる。先般就役した空母「遼寧号」のほか、中国は一連の052D型駆逐艦、054A型フリゲート、056型コルベット(軽型護衛艦)の建造に取り掛かっている。
また、5年以内には、新型の081型ヘリコプター強襲揚陸艦(LHD)の建造を開始する見込みで、15年以内に空母を数隻建造する可能性もある。(編集担当:米原裕子)