中国の商品の品質関連情報サイト「消費者報道」は11月27日、中国の自動車メーカー「BYD」が搭載するデュアルクラッチトランスミッションにトラブルが頻出しているとして、中国政府・国家質量監督検査検疫総局(品質監督検査検疫総局、質検総局)が自主調査するよう求めたと伝えた。BYDには、ブレーキを踏んだ瞬間にエンジンに燃料が送られ、加速する現象も発生しているという。


 記事は、実際にトラブルに遭遇したという車主の話を紹介。2014年10月に山道をBYDのセダンで走行していたところ、突然にパワーが弱まり坂を登れなくなってしまった。購入したのは同年5月で、6月に同じ場所を走行したときは軽快に坂を超えられたという。

 坂を上ろうと思ってアクセルをできる限り踏み込んだところ、強烈な焦げ臭さを感じた。修理店に持ち込んだところ、デュアルクラッチトランスミッション(DCT)の不具合と分かった。

 問題のDCTを交換したところ問題は解決したが、2015年5月には、正常に発進できない問題が出た。こんどはバッテリーを交換した。すると今度は、ブレーキを踏んだ時に時おり、燃料がエンジンに送り込まれて加速する問題が発生した。

 短い時間ではあるが、前方に猛然と突っ込むので、停止するまでの距離は明らかに長くなった。そのため、前方の車両とは十分に車間距離を取るように注意しているが、後ろから追突されないかと不安で仕方ないという。

 消費者報道によると、温州に住むBYD車車主のひとりは、同市内で結成されたBYD車クラブのメンバは、1人残らず同様の問題に遭遇したという。

 質検総局によると、BYD車が搭載するDCTの問題で10月31日までに累計294件の通報を受けた。
うち2件は事故に結びついたという。

 質検総局はすでにBYDに対して同問題を調査するよう求めており、BYDの対応が不十分と判断した場合には、質検総局自らが調査を進める方針という。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)


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