微博(中国版ツイッター・ウェイボー)や、微信(中国版LINE・日本での名称はWeChat)など中国国内のSNSアプリ上で今、この時期ならではのアイテムを身に着けた画像が急増している。それは「サンタ帽」だ。


 今の時期には欠かせないパーティーアイテム、サンタ帽をかぶったユーザーアイコンの大量発生からは、インターネットの普及、社会の変化によって、中国国内にもクリスマスやサンタクロースの文化が定着した印象を覚えるが、実はそこには「からくり」があった。「30人に『メリークリスマス』のメッセージを発信すると、運営者からサンタ帽のアイコンがもらえる」というウソの情報が流れているのだ。

 「いかにも……」といった情報だが、真に受けた結果「騙された」という人も結構いるようす。そして、わざわざ自分でサンタ帽のアイコンを画像に張り付ける、あるいは実物のサンタ帽を被った画像を掲載するユーザーが続出。これにより、サンタ帽つきのアイコンが増殖しているのだ。

 SNS上での「サンタ帽ブーム」は半ば「悪乗り」的なものと言えそうだが、実際の中国社会においても、サンタ帽をはじめとするクリスマス用品のニーズが年々急速に増加しているようだ。


 中国メディア・南方網は16日、大手ECサイト・淘宝(タオバオ)の農村向けサービス「農村淘宝」において、今年10月から現在までに中国国内の1500カ所の村からクリスマスツリー、サンタ帽などクリスマス用品の注文が入ったほか、山東省のある村からはサンタ帽1万7000個の受注があったと紹介している。サンタ帽の購入者は店舗経営者で、自らの店で販売するほかに周辺の学校や遊戯施設へ売りに行く予定だが、1万7000個全部売り切る自信があるとのことだ。

 南方網の記事は、「農村淘宝」を通じた巨大な農村市場の掘り起こしにより、アリババがEC業界の更なる成長を目指していることを伝えるもの。農村ECが爆発的な発展を遂げれば、今後農村にはさまざまな製品が流通し、同時にさまざまな新しい文化も浸透していくことになるだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


【関連記事】
フィンランドが中国に期待する「サンタクロース村」への投資
日本の農民は豪邸に住んでいる  わが国の農村との違いに仰天
アリババ・馬会長、北京の大気汚染に孫正義氏譲りの自虐ネタ「本当に宇宙人だったら・・・」
日本での越境ECモデル構築に成功した蘇寧×ラオックス、爆買いとO2Oの関係を考察
中国の「双十一」ネット商戦、日本企業も目をつけた