日本のお米はおいしい。普段食している日本人のみならず、中国人をはじめとする少なからぬ外国人からもそのような感想が聞かれるのだから、やっぱり本当においしいのだ。
では、そのおいしさはどこから来るのか。そこには稲の品種改良、栽培方法の工夫、そして炊飯器の進化という努力の過程があることを忘れてはいけない。

 中国メディア・今日頭条が先月5日に掲載した「お米の味で、中国人はどうして日本人に負けるのか」という文章のなかでも、この点に言及している。文章は、中国におけるお米と日本のお米では「品種も飲食習慣も違う」としつつも、「しかし全体の品質やいいお米を買える確率は日本の方がかなり高いのである」と説明した。

 そして、日本のほうが「いいお米」を買える確率が高い理由として、「日本人は稲の品質について、中国より40年早く重視し始めた」、「産地や品種に対して神経質なほどにこだわりを持っている」、「お米の鮮度を気にしている」といった点を挙げている。

 日本では1970年代にすでに米不足の問題が解消され、「おいしさ」への追求が始まっていたと紹介。
そこに「変態的」な匠の精神が発揮されることで次々と品種改良が行われていき、今では「それぞれの地理的条件で異なった品種を栽培すること」が基本になったと説明した。また、各品種に付けられたブランド名の管理が厳しく、包装にはブランド名と産地の記載まで要求されていることなども紹介した。

 中国は少ない耕地面積と莫大な人口ゆえ、とにかく生産して人民の腹を満たすことが最優先されてきた。それは急速な経済成長を遂げてからも、貧富差の拡大に伴って完全に解決できていない状況である。「温飽」(衣食がほぼ足りる)が政策の柱として盛んに叫ばれていたのは、ほんの10年ほど前のことなのだ。

 達成が可能かどうかは別として、今の中国は2020年の「小康社会」(ゆとりある社会)を目指して進んでいる。
となれば、これまで「腹に入ればいい」と思われてきた主食のお米や麦についても「もっとおいしくしたい」という考え方が出てくるはずだ。おいしいお米を栽培すべく、日本の技術に学び、日本のやり方を移植しようとする試みも出ている。しかし、大事なのは「よりおいしくするにはどうしたらいいか」を自分たちで追求して、さまざまな改良を試みる姿勢なのだ。その姿勢が浸透し始めれば、きっと中国各地の風土に合った「おいしいお米」が続々と市場に並ぶことになるだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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