安価で低品質な製品を大量生産するというイメージからの脱却を目指している中国の製造業。この話題が出た際しばしば例に持ちだされるのが「ボールペン」だ。
「ロケットは作れるのに、どうしてボールペンのペン先は作れないのだ」というのが、中国の製造業の現状を嘆く「お約束」の1つとなっていた。

 しかし、この状況はほどなく変わるかもしれない。中国メディア・新浪は9日、「中国がついにボールペンのペン先の開発に成功した」とする記事を掲載した。

 記事は、現在中国国内には3000軒を超えるボールペン製造企業があり、20万人あまりが製造に従事、年間400億本余りのボールペンが生産されていると紹介。「今や紛れもないボールペン製造大国である」とする一方で、「核となる技術や材料は輸入に依存しており、大量のボールペンのペン先はなおも輸入する必要があった」と伝えた。

 そして、年間数百億本製造される中国製ボールペンに自前のペン先装着を実現すべく、中国政府が2011年よりペン先に関する技術開発プロジェクトを推進したと紹介。そのプロジェクトを担った中国大手ステンレスメーカー・太鋼集団のエンジニアらが、ペン先として利用できるように微量元素を配合したステンレス鋼材の研究を実施。「何の参考データもないなか、絶えずデータを蓄積、パラメータの調節や技術のデザインを進めてきた」とした。

 そして、5年に及ぶ失敗の繰り返しを経て、昨年9月に直径2.3ミリメートルのペン先用ステンレス線の開発に成功、この素材で作ったペン先を用いた限界試験が行われており、同じ角度で800メートル書き続けられるクオリティにまで高めようとしていると説明。現在一部の企業ではすでに使用されており、「今後2年以内に輸入品と完全に入れ替わるようになる見込みだ」と伝えている。

 これまではペン先の微妙な製造技術がなかったために、かすれ、インクのぼた落ちや詰まりなどが日常的に発生していた中国メーカーのボールペン。今回の研究開発成功により、これまでのネガティブなイメージを払しょくできるだろうか。
もしそうなれば、「ボールペンさえ作れない」という中国人の製造業に対するコンプレックスも一気に解消されそうだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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