中国連鎖経営協会とボストン・コンサルティング・グループが24日に共同で発表した「2018中国便利店発展報告」によると、店舗の総数は、15年が9万1000店、16年が9万4000店、17年が10万6000店になった。各店舗の1日当たり平均売上高は、15年が3575人民元、16年が4504人民元、17年が4936人民元(約8.5万円)となっている。
日本のコンビニの売上高は、JFA正会員7社(セイコーマート、セブンーイレブン・ジャパン、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、山崎製パン<デイリーヤマザキ>、ローソン)の合計で2017年(暦年)は10兆6975億円(前年比1.8%増)。店舗数は中国の約半分ながら、売り上げ規模は約3倍を稼いでいる。
中国は国土面積が日本の約25倍、人口は約10倍。中国の都市部のサラリーマン世帯の平均消費支出は年150万円程度といわれ、日本の2分の1程度の水準ということを合わせて考えると、中国のコンビニ業界は店舗数のみならず、1店舗当たりの売上高でも、依然として発展途上にあると感じられる。
中国の各チェーンのコンビニ店舗数シェアは、ガソリンスタンドに併設された石油系を除くと、広東省の「美宜佳」が22.3%でトップ、同じく広東省の「天福」が8.0%、四川省の「紅旗」が6.2%で続く。日系コンビニは、「全家(ファミリーマート)」が4.4%のシェアで4位。
チェーン別の粗利益率は、「7-Eleven」が最高レベルの30%超になっている。日系コンビニは、訪日中国人が日本国内店舗でのサービスに対して、大きな満足度を感じて帰国していることが、中国国内での知名度向上にもプラスの影響を与えていると考えられる。中国資本系は20~30%で推移した。
ただ、各コンビニは収益環境が厳しくなっている。17年は店舗賃料が前年比18%増、人件費が12%増、光熱費が6.9%増とそれぞれ上昇したためだ。各社は経費節減に追われている。
将来的には、スマート店舗が増えていく見通しだ。中国国内で急速に普及するスマホ決済によって、無人化の環境は整いつつある。無人コンビニの市場規模は、17年実績で4000万人民元(約6.9億円)だが、18年に2億人民元、19年には11億人民元、20年には33億人民元(約570億円)に伸びると予測されている。(イメージ写真提供:123RF)
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