ACG(Anime、Comic、Game)のキャラクターをフィギュアにして販売している香港の会社が香港証券取引所に上場した。千値練(Sentinel)、TOPIなどのブランドを知っているだろうか? そのブランドを持っている佰悦集団HD(アミューズ・グループ・ホールディング)が上場した会社。
IPO(株式新規公開)では一般投資家の申込倍率が42.85倍の人気ぶり。公募価格0.35香港ドルに対して、上場初値は0.39香港ドルと上々の滑り出しになっている。

 佰悦集団は香港を拠点とし、フィギュアや玩具のODM、輸入販売を手がける。アニメ、漫画、ゲームのキャラクターをベースとした商品のデザイン・開発、生産管理、販売に従事。実際の生産については、外部の玩具メーカーに委託している。

 今回の上場で得た資金は、手取り概算で5880万香港ドル(約8億円)。この資金で、商品ポートフォリオを拡充するという。

 佰悦集団が上場したのは、香港証券取引所でGEM(Growth Enterprise Market)に区分される市場。いわゆる新興企業向けの市場。日本では、JASDAQ(ジャスダック)やマザーズなどと同じ位置づけ。新興企業なので、経営基盤が安定せず、このまま順調に成長するのかどうかは、はっきりしない企業でも上場できる市場と位置付けられている。佰悦集団は、投資家に提示する目論見書の中で、非常に限られた顧客を相手にしているため、その顧客が離れていくリスクが業績に重大な影響を与えるとしている。


 主力の千値練で販売されているフィギュアは、アメリカのキャラクターも含まれるものの、メインの商品は日本のアニメやゲームから出たキャラクターだ。世界に日本のキャラクターを広める窓口のひとつとして佰悦集団には、上場を機に一層頑張ってほしいものだ。(写真は、「千値練」のサイトTOPのキャプチャ)


【関連記事】
世界一の新エネ車市場になった中国、補助金の縮小でも新エネ車人気は続く?
フィンテックは第3相、アクセンチュアが見通す日本発の社会課題解決型投資
中国のコンビニは前年比23%成長、国土は日本の25倍なのにコンビニ店数はまだ2倍
アリババ、バイドゥなど米国上場の中国大企業が6月にも中国本土市場に里帰り上場
変化が激しい中国の小売、アリババ主導の「新零售」に負けないのはどこ?
編集部おすすめ