記事は、「二次大戦中、日本軍は各占領地で現地通貨に代えて『軍票』を発行し、その機に民衆の財産をほしいままに奪い取って、軍事物資の購入にあてた」と指摘。「二次大戦の終結とともに、日本軍が戦時の流通貨幣として発行した『軍票』は無効になり、多くの香港人は一生涯の貯蓄をすっかり失ってしまった」と説明した。
記事によると1993年、軍票の損害賠償を求めて香港人の代表者17名が日本政府を告訴。訴訟は8年間に及び、2001年、日本の最高裁が原告に対し「戦争で損害を受けたが、賠償を受けることはできない」との判決を下して、訴えは棄却された。今回、香港中文大学に寄贈された資料は、この軍票訴訟に関わる文書や証拠物品だという。
今年63歳になる寄贈者の和仁氏は、1990年代にボランティアの弁護士や研究者らと共に香港の「軍票」補償を促進する会を立ち上げ、前述の香港人代表者を支援していたとされる。新華社のインタビューに対して和仁氏は、「訴訟は敗訴し、被害者は賠償を受けられなかったが、二次大戦期に香港人が『軍票』の引きかえによって被害を受けたという出来事を、多くの人に知らせることができた」との認識を伝えている。
記事によると和仁氏は今回、大量の資料をあらためて整理した上で、日本研究学科を有する香港中文大学に寄贈した。「香港が日本軍に占領された3年8ヶ月について、若い世代がさらに深く理解するために役立ててほしい」と氏は述べている。軍票に関する資料をどう解釈するかという問題とは別に、今回、大学機関に移管されたことで、保管体制や利用性が向上したことは意義深いと言えるだろう。(編集担当:伊藤由記)(イメージ写真提供:123RF)
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