中国メディア・環球網は18日、中国での新型コロナウイルス流行に対して日本各地から送られた支援を通して、日本に根付く「書道文化」が垣間見えたとする記事を掲載した。

 記事は、今回の新型ウイルス感染拡大に際し、日本から様々な漢文による応援メッセージ付きの支援物資が送られ、中国国内で大きく注目されたと紹介。
そして、漢文メッセージの中には毛筆で書かれたものもあり、日本における書道や中国の古典詩歌に対する思い入れの強さをうかがわせたとした。

 そのうえで、日本では書道が今もなお非常に重視されており、小学校3年生から中学校まで毛筆による書道の授業が行われているほか、岩手大学、筑波大学、静岡大学などには書道の専攻が設けられ、各地に書道を教える学校がたくさん存在すると説明。「日本では、5、6人に1人は書道の心得があるというほど、書道の普及率が高いのである」と伝えた。

 また、書道の伝統をさらに広めるために、日本各地で盛んに書道のコンテストや展示会が開かれていると紹介。その一つが明治神宮で行われる「全国少年新春書道展」であり、毎年数万点の作品から選ばれた優秀作品300点が明治神宮に展示され、入選者に対して盛大な表彰式も行われるとしている。

 さらに、日本では書道を学ぶ際に技能だけでなく書道に関する理論や知識の習得にも努め、王羲之、顔真卿などといった中国の著名な書道家が崇拝され、その作品が人気を集めているとしたうえで、昨年東京国立博物館で行われた顔真卿の特別展には非常に多くの日本人が足を運び、開場前に長い行列ができたほか、当時の天皇皇后両陛下(現在の上皇さまご夫妻)も興味深く作品を鑑賞したことを伝えた。

 漢文や漢詩は日本の中学校や高校のカリキュラムに取り入れられている。実際、どんな内容だったかを覚えている人は多くないかもしれないが、中国の古典文化が決して日本社会において遠い存在ではないことを示すものと言えるだろう。

 かねてより中国のメディアやネットでは日本における伝統文化の継承と発展に注目し、「見習うべき」と論じられてきた。今回の非常事態においても、伝統文化を守ることの大切さが改めて認識されたようである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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