一方、中国では野菜や食材の買占めは起こってもトイレットペーパーだけがなくなるという現象はあまり見られない。こうした現象は中国人にとって理解不能に映るようで、中国メディアも関心を寄せている。なぜこの時期にマスクだけではなく、トイレットペーパーを買い占める動きがみられるのか。中国メディア中国青年網はこのように説明している。
まず、理由として挙げられるのはデマに踊らされているため。ネットで「トイレットペーパーの原材料を中国から輸入できず、日本国内でトイレットペーパーを生産できない」というデマが飛び交い、大きな混乱を生じさせた。また「トイレットペーパーとマスクは同じ原料」とのデマも話題になった。結果、多くの消費者がその情報を鵜呑みにし、スーパーに殺到、どのお店もトイレットペーパーが品切れ状態になってしまった。その後、ニュース報道で「日本国内でもトイレットペーパーは生産されており、国民の需要を満たすだけの在庫は十分確保されている」と報じられた。
さらに今回の状況は不安な心理状態が関係している、と見られる。人は不安に駆られると正常な判断を下しにくくなる。人々はこれまで経験した事がない種類の病気の流行に脅威を感じているのだ。特に、日本や欧米では類例のない状況のため、より不安感が強いのだろう。そのため、多くのスーパーマーケットに客が詰め掛けトイレットペーパー、ティッシュ、ペットボトル、缶詰など備蓄できるものを買い占めている。さらに、アメリカはトイレットペーパーの消費世界一とも言われており欠かせないものになっている。
この記事に対し、ネットの書き込みには「マスクがなければ外に出なければいいだけの事。トイレの紙がなかったらどうしようもない・・・」とか、「困難面するとマナーもなにもなくなるのはどこの国も同じ」などと、買占めに対し理解を示すコメントが見られた。
新型コロナウイルスの消息のめどが立たない中、多くの人の漠然とした不安がこのような行動を取らせているに違いない。(編集担当:時田瑞樹)(イメージ写真提供:123RF)
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