かつては若者の多くが毎月一定額を消費していた「CD」。しかし中国では現在「CD」は市場からほぼ消えてしまっている。
特に、1995~2000年生まれの若者にとっては「CD」そのものがすでに死語になっており、パソコンにもCD・DVDドライブがついていないものが多い。一方、日本では今でもCDショップが街にあり、一定の売り上げがある。「一体なぜ日本ではいまでもCDが売っているのか」と中国メディア騰訊が27日付の記事で分析している。

 一つ目の理由は日本では著作権意識が高いから、というもの。中国では今でもネットで音楽を無料ダウンロードできるがまだまだ著作権の管理があまり行き届いていはいない。一方、日本は著作権により厳しく音楽や映像作品管理されている。
そのため、作品を視聴するのにCDやDVDは今でも有効な手段となっている。

 もう一つの理由はCDそのものに付加価値があるから、というもの。例えば、多くのミュージシャンやアイドルグループはCDの発売に伴い「初回限定版」でノベルティグッズをCDにパッケージし、さらに未公開映像を加えるなどファンの心をくすぐる工夫をこらしている。作品自体はインターネットでもダウンロード配信されているものがほとんどだが、CDに付加価値を付けることでメディアの販売が可能になっていると分析している。CDに新たな付加価値を付けることで現在も市場で「コレクターズアイテム」として引き続き一定の地位を築いているというわけだ。

 今でも日本でCDが売られているのは、単なる懐古趣味ではなく著作権とCDそのものの付加価値、というのがその答えだ。
日本企業は、一度オワコンになってしまったものに新たな価値を生み出すことで、引き続き売れる商品を開発していると、とも言えるだろう。(編集担当:時田瑞樹)(イメージ写真提供:123RF)


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