
閉店後に賞味期限の過ぎたフードを廃棄する行為に違和感を抱いていたパートナー(従業員)が19年に実施されたユースアントプレナーアクションでフードロス削減のためのアイデアを提案したことがプログラム実施の後押しになったという。
プログラムは、従業員に裁量がある点も特徴。割引を行うかどうかは、各店舗で在庫の状況を見て従業員らが判断する。
3月に東京都と埼玉県の約90店舗で1か月間のトライアルを実施したところ、利用客から賛同の声が上がったほか、従業員からも「お客さまと一緒に進められるサステナブルな取り組みで、誇りを持って商品を勧められる」「実際に廃棄量の削減につながり、心理的にもプラスに感じた」といったポジティブな声が集まったという。
取り組みへの思いをつづったカード(フードロス削減/スターバックス) 各店舗では、取り組みへの思いをつづったカードを掲示するなどしてフードロス削減の取り組みを利用客に伝える。
トライアルを実施した店舗からは「SAVE FOODを店頭のチョークボードに掲げながら意義や目的をお客さまに伝え続けた。フードロス削減に対し、何から始めたらいいか分からないという声もよく耳にするため、お客さまと一緒に取り組めるアクションとして削減を進めていきたい」(ストアマネージャーの田中冴子さん)とのコメントが寄せられた。
売上げの一部の寄付先となる「むすびえ」は、「こども食堂の支援を通じて誰もとりこぼさない社会をつくる」という思いから設立された。
スターバックスは全国の店舗網を生かして、資金面の支援だけでなく、各店舗が主導して行う地域貢献活動の一環として、こども食堂との交流も図る。
なお、16年以降、米・スターバックスでは、フィーディング・アメリカなどの飢餓救済団体と提携した「フードシェア」プログラムを通じて飢餓対策に乗り出し、アメリカ全土で約3千400万食の栄養価の高いすぐに食べることのできる食事を地域のフードバンクに寄付。現在、約9千店舗となる米国のすべての直営店がこの「フードシェア」プログラムに参加している。