
ここに、雷を支配する神(別雷:わけいかづち)が降り立ったとされ、今も古代から守られてきた清らかな湧水が流れる。
味の素AGFは2015年、縁あって、この神山湧水に合うコーヒー「神山湧水珈琲」を開発。以来10年間、「神山湧水珈琲」を上賀茂神社に奉納し、その数は累計24万杯(ドリップコーヒー24万袋)に上る。
「神山湧水珈琲」と亀屋良長オリジナルの和菓子「鳥羽玉・錦玉セット」 6月12日、提供10周年を記念して、同神社にて一般の当選者を対象に蛍鑑賞・夜間特別参拝・夜カフェが体験できる特別催事を15日までの期間限定で開催している。
夜カフェは境内にある重要文化財の庁屋で催され、神山湧水で淹れた「神山湧水珈琲」を亀屋良長オリジナルの和菓子「鳥羽玉・錦玉セット」とともに提供。
開催に先立ち11日、庁屋でプレス向け体験・発表会に臨んだAGFの島本憲仁社長は「神様に奉納させていただいたコーヒーは“おさがり”として参拝者に渡り分かち合われているという。まさに神様と分かち合えるコーヒー。このような特別なコーヒーはなかなかできないと思っている」と胸を張る。
「神山湧水珈琲」は2020年から、境内社務所横にある常設のお休み処でもホット・アイスで販売され、多い日には1日の提供杯数は400杯に上る。

AGFとしては今回、SNSも活用しながら、蛍鑑賞・夜間参拝・コーヒーの意外な組み合わせで話題化を図る。
島本社長は「AGFはこういうことにも取り組んでいる会社であることを伝えていきたい。製品に落とし込むつもりはなく、まず社員がこのような活動を目の当たりし自分の会社を誇りに思ってもらいたい」と力を込める。

AGFの今後の活動に期待することとして、髙井宮司は「水のご縁でご支援いただいていることから、今後も水に関わることで一緒に清流を守っていただけたらと願っている」と期待を寄せる。
来賓挨拶した京都市の岡田憲和副市長は、今回の特別催事の趣旨を踏まえて「環境問題の取り組みでは、我慢・辛抱・努力も大事だが、やはりゆったりとした気持ちで楽しみながら改めて自然の恵みを感じることがとても大事」と指摘する。
Earth hacksの関根澄人社長も「コーヒーやお水もそうだが、日常生活の中での飲用や体験中で環境の大切さを知っていただくことが、皆さんの意識や行動を変えていく上で一番大事」と語る。
催事期間中、お休み処ではマイボトル持参者にEarth hacksが提供するデカボスコアに応じて「神山湧水珈琲」の割引を実施。デカボスコアとは、製品やサービスにおけるCO2排出量の削減率をスコア化した指標となる。

平井教授は学生とともに境内を流れる「ならの小川」などを調査し、落ち葉やヘドロの滞留箇所の清掃や蛍のエサとなるカワニナの移植などに取り組む。
「蛍を保全することは、生息エリアの生態系を守ることにつながる。
Earth hacksデカボアンバサダーを務める大学生はAGFの環境活動と平井教授監修の川の保全活動に参加。

同じくデカボアンバサダーの島俊介さんは「清掃活動中に参拝者の方々から“ありがとう”というお言葉をいただき、自然に触れ合えるだけではなく、本当に人の心に届くような活動だと実感でき、参加できて本当に良かった」と感謝する。
AGFは、”命を育む水は、食を育む水”という考えのもと、上賀茂神社が神山湧水を長い間守り続けてこられたことに深い畏敬の念を感じ、共同文化事業の一環として「神山湧水珈琲」を開発した。

説明後、AGFコーヒーマイスターで大阪支社第四営業グループに所属する蓑田壮汰氏はおいしい淹れ方を実演した。